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金木犀の許嫁

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第七十一話 お見合いの結果その九

「浮気は暴力なんて」
「あったら駄目だよ」
「そうですね」
「僕暴力はね」
 豊はこれ以上はないまでに顔を曇らせて話した。
「絶対にね」
「駄目だって、ですね」
「思っているから」
「本当にそうですよね」
 白華も同意して頷いた。
「絶対に」
「勿論浮気も駄目だけれど」
「暴力は特にですね」
「お酒やギャンブルで借金を作るのも駄目で」
 こちらもというのだ。
「会話もないとね」
「駄目ですよね」
「偉そうにもしないでね」
「そうした意味でも夫婦揃ってですね」
「どっちが偉いとか」
 そうしたことはというのだ。
「そもそも同じ人間だし」
「成り立たないです」
「そうだしね」
 そうであってというのだ。
「本当にね」
「偉そうにもしない」
「そして何があっても暴力は」
「駄目ですね」
「誰に対しても振るったら駄目だよ」
 豊は強い声で話した。
「奥さんでも旦那さんでもね」
「子供にも」
「奥さんの連れ子の子を虐待して殺した奴の写真を見たら」 
「酷いお顔をしていましたね」
 白華はそうではないかと察して豊にこう問うた。
「そうですね」
「そうだったよ」
「やっぱりそうですね」
「物凄く嫌な目をした」
 そうしたというのだ。
「チンピラそのものの」
「一目で碌でもないとわかる」
「そんな顔でね」
「暴力をいつも振るっているとですね」
「こうした顔になるって」
 その様にというのだ。
「思ったよ」
「そうでしたか」
「もうそんな奴は人では救えないよ」
「誰でもですね」
「残念だけれどね」
 豊は実際に残念そうに述べた。
「そんな人もいて」
「私達はそんな人にならないことですね」
「絶対にね」
 それこそというのだ。
「間違ってもだよ」
「暴力は駄目ですね」
「そうだよ、昔は普通だったと言う人いるけれど」
「昔が間違っていますね」
「むしろね」
「殴ったり蹴ったり罵ったり」
「家庭だけじゃなく何処でもね」
 今話している場所に限らずというのだ。
「学校でもね」
「学校は多いですね」
「いじめの問題もあるし」
「先生もですね」
「殴って蹴って罵ってお咎めなしだから」
 それが日本の教師の世界だ、そうしておきつつ人権だの平和だの差別反対だのを普通に言うのである。 
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