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西遊記

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第九回 易者龍王を占うのことその十二

「そして晋が衰え」
「長い戦乱となりな」
「どれだけの暴君が出て」
 そうしてというのです。
「国を乱したか」
「そして傾けたか」
「特にです」
「隋の煬帝だな」
「万歳老がいつも言っておられる」
「あの様になってはならない」
 皇帝も強い声で言いました。
「やはりな」
「そう思われますね」
「煬帝は贅沢に溺れ国を滅ぼした」
「その通りです」
「そうなってはな」
「どうにもなりません」
「全くだ」
 魏徴の言葉に頷きました。
「絶対に」
「それ故にです」
「朕も身を慎むべきだな」
「天下万民の為に」
「では酒でなくな」
「お水としましょう」
 こう言うのでした。
「今は」
「酒は夜にだ」
「それもお身体を壊さぬ程に」
「飲むべきだ」
「それがいいです」
「酒池肉林はならんな」
「それこそまさに煬帝の道です」
「慎まねばな」
 皇帝もあらたまって言いました。
「くれぐれも」
「左様です」
「ではそのうえでな」
「碁を打ち」
「そのうえで話をしてくれるか」
「それでは」
 魏徴も頷きました、そして皇帝はその話が決まってから笑顔でこんなことも言いました。
「朕の昼食は幸いだ」
「今日はですか」
「少し遅くしてもらった」
「そうなのですか」
「銅も何かある気がしてな」
「私がお話を持ってくる」
「そうは考えなかったが」
 しかしというのです。
「勘だな」
「それに従いですか」
「戦場でもあるものだ」
 皇帝は多くの戦を経てきて勝ってきています、そうして唐を今の国にしたのです。その経験からも言うのです。
「勘が知らせてな」
「それに従い戦う」
「そのうえで勝つことがな」
「それでなのですか」
「少し遅くしてもらったが」 
 昼食をというのです。
「まさにそうなったな」
「よきこととなりますね」
「全くだ、ではな」
「はい、それでは」
「碁を打ちな」
「お話をさせて頂きます」
「そうしよう」
 皇帝はお話に乗りました、その時です。
 悟空は話し相手の土地神にです、こんなことを言っていました。 
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