セリーグ全滅
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第二章
「負け越したのはね」
「悔しいな」
「パリーグ強過ぎでしょ」
「どのチームもな」
「うちソフトバンクに十六点取られたけれど」
それで負けたがというのだ。
「他のチームもね」
「強かったな」
「そうよね」
「七連敗の間どれだけ逆転されたか」
寿はカルピスを作り終えるとリビングのソファーに座って言った、勿論その手にはカルピスがある。
「サヨナラ負けもあったし」
「西武にね」
「西武って今年サヨナラ勝ちあったか?」
「なかったんじゃないの?」
千佳はカルピスを飲み月刊カープを開きつつ応えた。
「確か」
「あそこは打線に問題あるか」
「得点力低いのは事実でしょ」
「それでサヨナラ勝ちはか」
「九回まで無得点でね」
その試合の流れでというのだ。
「勝つってね」
「西武はなかったんだな」
「基本先行逃げ切りのチームで」
そうであってというのだ。
「サヨナラ勝ちはそうはだったのよ」
「そのチームにサヨナラ負けか」
「ペルーナでね」
千佳はここでこうも言った。
「あのペルーナね、私行ったことないけれど」
「僕もだ、物凄い球場なんだよな」
「交通の便が悪くて」
そうであってというのだ。
「春先と秋の終わりは寒くて」
「夏は暑いな」
「選手の人がナイターで熱中症になる位ね」
「ドーム球場でってのが凄いな」
「そこが本拠地のこともあって」
それでというのだ。
「あそこは苦労しているのよ」
「えらい本拠地だな」
「そのペルーナでサヨナラ負けってね」
それはというのだ。
「もうね」
「そうはないな」
「私も途中経過見て阪神勝ったと思ったわよ」
そうだったというのだ。
「それが負けたからね」
「驚いたか」
「ええ、それで西武に三タテされて」
そしてというのだ。
「楽天にもで」
「今度は仙台でだったよ」
「負けたわね」
「全く、それであっという間に負け越して」
「七連敗で」
「何とか持ち直したと思ったら」
寿はカルピスを飲みつつ憮然として話した。
「負け越したよ」
「結局ね」
「今日それが決まったよ」
「対するソフトバンクは優勝ね」
「今度は日本ハムだって言ってるよ」
ソフトバンクはというのだ。
「ペナントで」
「交流戦後ね」
「そう言ってるよ」
「前を向いてるわね」
「うん、日本ハムも」
このチームもというのだ。
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