金木犀の許嫁
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第七十一話 お見合いの結果その一
第七十一話 お見合いの結果
夜空達は資料館から今自分達が泊まらせてもらっている豊の家でもある寺に戻った、すると彼と白華がいてだ。
二人共満面の笑みだった、夜空はその二人の笑顔を見てわかった。
「お見合い成功だったのね」
「はい」
白華が答えた、その笑顔で。
「終わった時に婚約がです」
「決まったの」
「そうなりました」
「それじゃあ」
夜空はその言葉を聞いて言った。
「白華ちゃん大学を卒業したら」
「その時はです」
「お寺に入るのね」
「こちらにです」
「奥さんとして」
「そうなります」
まさにというのだ。
「婚約しましたし」
「そうなのね」
「許嫁同士です」
今度は豊を見て話した。
「私達は」
「よかったわね」
「はい」
笑顔での返事だった。
「本当に」
「ええ、じゃあ大学も」
「宗教学部ですね」
「そこで仏教を学ばせてもらって」
「そしてです」
そのうえでというのだ。
「お寺の奥さんになれる様に」
「勉強するのね」
「そうなります」
「お寺ですが」
豊も言ってきた。
「実は色々とやることがありまして」
「仏教のこと以外にもですね」
「はい、肉体労働やお付き合いもです」
幸雄に話した、
「何かとです」
「ありますね」
「ですから」
そうであるからだというのだ。
「それで、です」
「何かと大変ですね」
「夫婦でないと」
さもないと、というのだ。
「難しいです」
「そうした場所ですね」
「昔はです」
かつての寺はというのだ。
「肉食妻帯は禁止されていて」
「お一人でしたね」
「表向きは」
ここで豊は苦笑いになって話した。
「そうでした」
「そうなのよね、これが」
真昼も笑って言った。
「お坊さんは奥さんいたら駄目でも」
「実は、ということが多かったですね」
「そうだったのよね」
「これがね、だからね」
真昼はここでこの話題を出した。
「三好清海入道さんも三好伊佐入道さんもね」
「お二人共でしたね」
「お坊さんだったけれど」
今話しているその立場の者達だったがというのだ。
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