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第百七十六話 暖衣その一
第百七十六話 暖衣
文化祭が終わり暫くすると中間テストの時期になりそれが終わりだった。
「すっかり寒くなったな」
「そうよね」
富美子は学校の帰り道一緒に歩いている越智に答えた。
「もうね」
「すっかりな」
「特に神戸はね」
「ああ、すぐ後ろが山でな」
「風が下りてくるから」
「余計に冷えるな」
「大阪と比べてね、その大阪もね」
自分達が暮らしている街もというのだ。
「冷えるしね」
「流石に冬になるとな」
「冬は冷えるのが嫌よ」
「野球もなくなるしな」
「シーズンオフね」
「今年も阪神日本一だったけれどな」
「巨人は最下位でね」
忌まわしいことこの上ないこのチームはというのだ。
「阪神はそうよね」
「ああ、しかしな」
「シーズンオフね」
「だからな」
それでというのだ。
「余計に寒く感じるな」
「その分熱気がないからね」
「ああ、これから寒くなってな」
「冷えて嫌よね、もうね」
富美子は越智に話した。
「私なんて厚着しまくりよ」
「女の子は皆そうだな」
「寝る時だって」
この時もというのだ。
「靴下履くしね」
「ああ、靴下か」
「履いて寝たらね」
靴下をというのだ。
「暖かくてよく寝られるのよ」
「そうなんだな」
「やってみてね、寒くなったら」
越智にも勧めた。
「よく寝られるから」
「足が暖かくてな」
「足が大事なのよ」
何と言ってもという口調で話した。
「ふくらはぎも太腿もね」
「足全体がか」
「そう、暖かいとね」
それならというのだ。
「もうね」
「よく寝られるんだな」
「冷えないし」
それにというのだ。
「朝も気持ちよくね」
「起きられるんだな」
「そうなのよ」
そうだというのだ。
「これがね」
「じゃあやってみるな」
それならとだ、越智も答えた。
「俺もな」
「身体は冷やしたら駄目だからね」
「絶対にな、スポーツやってると言われるよ」
「身体冷やすなって」
「そうな」
まさにというのだ。
「言われていてな」
「気を付けてるのね」
「熱くなり過ぎても駄目だけれどな」
「熱中症になるし」
「だからな」
それでというのだ。
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