世界の礎
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二十三話 欧州進出その九
「生きる価値なぞある筈がない」
「到底」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「私はこの愚物を見て完全にだ」
「無神論から離れられましたか」
カニが聞いてきた。
「起きられた世界で」
「そうなった、そしてこの世界でもな」
「神霊を信じておられますか」
「この世界は最初からはっきりと感じられる、それで無神論に至るなぞ」
それこそというのだ。
「有り得ないことだ」
「それはその通りですね」
「だが私が起きた世界でも感じられるのだ」
この世界程でなくともというのだ。
「神霊の存在はな、そして信じないのならだ」
「道を誤る危険が高い」
「そう考えている、間違っても今話した愚物にまで堕ちるとな」
「人ですらなくなり」
「どうにもならない」
「手の施し様もですね」
「ない、そこまで愚劣になるとな」
そうなると、というのだ。
「誰も何もだ」
「出来ないですね」
「誰が何を言ってもだ」
それこそというのだ。
「人ではな」
「救えないですね」
「誰がどういった教えを解いてもな」
「そうなのですね」
「そしてだ」
その結果というのだ。
「最悪の破滅を迎える」
「その愚かさに相応しい」
「そうしたな」
「そうなるのですね」
「尚こうした愚物がいる場所には気を付けることだ」
義青はこうも話した。
「ここまでの愚物を受け入れる場所なぞだ」
「人を見る目がないですね」
「誰がこうした愚物を用いる」
「法の有難みも人の痛みや悲しみがわからない」
「わかろうともしない、それを平然と言うな」
「そこまでの愚物なら」
「一体だ」
それこそというのだ。
「誰がだ」
「用いるか」
「何が出来る」
こうした愚物にというのだ。
「一体な」
「何も出来ないですね」
「人と呼べる段階の人格も知能もないのだ」
その両方がというのだ。
「思いやりや優しさと呼ばれるものもだ」
「やはりない」
「そうであってな」
それでというのだ。
「一体どうしてだ」
「心ある者が用いるか」
「それはとてもだ」
それこそというのだ。
「有り得ないな」
「はい、流石にどんな役職にもです」
「就けられない」
「無能な働き者は向いている仕事なら有能な働き者になりますが」
「屑は屑だ」
変わらないというのだ。
ページ上へ戻る