しおりが登録されていません

 | 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

犬は家族に尽くす

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
次ページ > 目次
 

第二章

「この娘達だけじゃなくてな」
「それならな」
「それに応えてな」
 そうしてというのだ。
「それでだ」
「大事にしていくことだな」
「散歩に連れて行ってだ」
「一緒に遊んでな」
「ご飯もミルクもあげて」
 そしてというのだ。
「ブラッシングもだ」
「しないとな」
「何かとな」
 ふわりの為にというのだ。
「やっていくんだ」
「そうだよな」
「多分な」
 文太は洋介にこう前置きして言った。
「ふわりは長生きするぞ」
「そうしてくれるな」
「犬は種類によって寿命が違ってな」
「多少でもな」
「トイプードルにもな」
 ふわりの種類の犬もというのだ。
「やっぱりな」
「寿命があるな」
「その平均よりもな」
「ふわりは長生きするな」
「ああ、だからな」  
 そうであるからだというのだ。
「その分な」
「大事にすることだな」
「最後の最後までな」
 まさにその時までというのだ。
「大事にするぞ」
「家族皆でな」
「そして」
 そのうえでというのだ。
「ふわりを幸せにするぞ」
「そうだよな、こんないい娘いないしな」
「そもそも折角この世に生まれたんだ」 
 文太はだからだと言った。
「それならな」
「幸せにならないと駄目か」
「この世に生まれたならな」
 それならというのだ。
「誰かの為に働いてな」
「ふわりもそうしているしな」
「そしてな」 
 そのうえでというのだ。
「絶対にな」
「生まれたら幸せになることか」
「ちゃんとした奴ならだけれどな」
「屑は駄目か」
「そうした奴は地獄に堕ちればいいんだ」 
 そうだというのだ。
「幸せになるんじゃなくてな」
「むしろか」
「そうだ、しかしな」
 それでもというのだ。
「真っ当な奴は幸せにならないと駄目だ」
「この世に生まれたからにはか」
「いい娘と呼ばれる位でなくてもな」
 ふわりの様にというのだ。
「そうなることだ」
「そうならないと駄目か」
「ああ、そしてな」
 そうであってというのだ。
「ふわりもな」
「幸せにならないと駄目でか」
「幸せにするんだ、いいな」
「当たり前だろ」
 これが洋介の返事だった、そしてだった。
 妹達の傍に付きっきりで何かと世話をしているふわりを見た、そうしているふわりは目が輝き尻尾を振ってとても幸せそうだった。洋介はその彼女を見て決意するのだった。


犬は家族に尽くす   完


                 2025・6・23 
次ページ > 目次
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧