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スーパー戦隊総決戦

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第十二話 聖杯の主その十二

 そこに敵の面々は乗り込む。だが連はそれを見ながらふと言うのだった。
「そういえば戦闘員達はどうやって来ているっすか?」
「むっ、そういえば」
 言われたガジャがふと気付いた。彼はまだバスに乗り込んではいなかったのだ。丁度今から乗り込もうとしていたところであった。
「どうだったかな、それは」
「そんなの気付いたら来てるけれど」
「来てるけれど」
 何故かここでナイとメアが出て来ていた。戦隊の方にいるがだ。
「っていうか私達に勝手について来てくれる人達だから」
「人達だから」
「無茶苦茶いい加減だな」
 薪人は彼女達のその話を聞いて述べた。
「何かな」
「一応戦闘員達は電車で来てもらうことになってるから」
 ここで言ったのはフラビージョだった。
「あとお弁当代もちゃんと用意してるし」
「これでも大変なのよ」
 ウェンディーヌも話してきた。
「何かとね」
「そうか。何か色々あるんだな」
 康介は二人の話を聞いたうえでこう述べた。
「けれどそっちもかなり大変なんだな」
「大変よ、私なんか副業でグラビアアイドルやってるし」
「私もモデルをね」
 言われもしないのに言う二人だった。
「戦闘員達はスタントマンにアトラクションの出演で」
「他には工事現場のアルバイトや清掃業もね」
「すっげえ所帯滲みてないか?」
「そうよね」
 吼太と七海はこう突っ込んだ。
「まあ生活力はあるみたいだからいいか」
「っていうかこの世界に馴染み過ぎてるわよね」
「全くだな」
「俺達もそうだがな」
 実際今もアルバイトをしている一甲と一蹴だった。
「しかしだ。神戸だな」
「先に行かないとな」
「追いついてやるから安心するでおじゃる」
 ケガレシアは余裕の顔で彼等に返した。
「そして今度こそ聖杯を」
「これのことか?」
 それは暁が持っていた。
「悪いがパルジファル王に返させてもらう」
「生憎だがそうはいかん」 
 それをすぐに否定したのはリュウオーンだった。
「我等の理想国家の為にはな」
「ヘイユー、少し聞きたいことがあるんだけれど」
「えっ、シュリケンジャー!?」
「いたの」
「今来たんだよ」
 いつも通りいきなり出て来るシュリケンジャーだった。しかも彼だけ変身した姿である。相変わらずその顔は絶対に出ないのであった。
「それでその理想国家は皆が仲良く暮らせる国家だったよな」
「その通りじゃ」
 これにはガジャが答える。
「誰もが平和で楽しく仲良く暮らせる国家を築くのじゃ」
「それならすぐに作れるんじゃ?」
「そうだよな、少し考えてみれば」
「確かに」
 皆そのことに気付いたのだった。今更ではあるが。
「まあ言ってもわからないことはわかってるし」
「それだけの頭が」
「放っておいたら随分なことを言ってくれるな、おい」
「全くだ」
 クエスターガイとレイが同時に抗議する。
「俺達が馬鹿だっていうのか?」
「それは心外だぞ」
「しかし御主等まともな作戦を立てたことがないじゃろ」
 館長もきついことを言う。
「それではじゃ」
「作戦?そんなの決まってるわよ」
 シズカがそれに抗議する。
「美しく雄々しく格好よく戦うのよ」
「そうなり。我等らしく」
「素晴しく戦うぞよ」
「駄目だな、これは」
 真墨も呆れるしかなかった。彼等の言葉を聞いてだ。
「まあいい。俺達は先に行っているからな」
「追いついてやるから楽しみにしていろ」
 十蔵は数少ない真面目な存在になっていた。
「その時はシンケンレッドよ」
「わかっている」
 丈瑠は彼の言葉を受けた。
「貴様との決着をつける」
「待っていることだな」
「その時こそだな。問題は何処に国を築くかだが」
「兄貴、パレスチナという場所はどうだ?」
「キプロスという場所も聞くわね」
 サキュバス三兄弟は地球の情勢には疎かった。
「そうだな。他にはあの朝鮮半島の北半分か」
「おお、あそこなら誰からも文句は言われないな」
「統一がどうとか言ってるけれど」
「最後はまあ賛成するけれどな」
 千明は彼等のそんな会話を聞きながら述べた。
「最初の二つは止めておけよ」
「じゃあ朝鮮半島の北半分にしておこうかな」
「そうだな、それはいい」
「それではそこだ」
 ワイバーンとイフリート、サイクロプスはそこでいいとした。少なくともそこに国を築くということには戦隊の面々は反対することはなかった。
「あのまま放っておいても碌なことにはならないからね」
「あの国はね」
 麗と小梅が話す。
「まあとにかく。早くガオズロックに乗り込んで」
「さあ、行こうか」
 こうして全員ガオズロックに乗り込んでだ。今神戸に出発する。そして敵達もバスに乗り込んだ。そしてそのうえで彼等も神戸に向かった。


第十二話   完


                       2010・4・7 
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