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大人しい鉄道マニア

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第一章

                大人しい鉄道マニア
 撮り鉄には非常にマナーの悪い輩もいて問題になっている、だがショッピングモールで模型屋を営んでいる園田義光はこう言う。
「あんなのは本物じゃないよ」
「偽物ですか」
「鉄道マニアとしてね」
 常連の客に眉を曇らせている、五十過ぎの男で長方形の穏やかな顔立ちで黒髪を短くしている。やや小柄で太っている。
「駄目だよ」
「マナーが悪いからですか」
「そうだよ」
 その通りだというのだ。
「もうね」
「マナーは大事ですね」
「そう、マナーはね」
 店のカウンダ―の席に座っている、店内は多くのプラモデルの箱や塗料があり鉄道模型関連も多い。
「絶対だよ」
「紳士であれですね」
「そうそう、巨人みたいなインチキと違って」 
 こうも言うのだった。
「あそこは紳士どころかね」
「愚連隊ですね」
「最早ね」
「堀内なんか酷かったですね」
「いきなり人の背中に飛び蹴り浴びせてね」
「何発も殴る様な」
「暴力男dあからね」
 それが堀内恒夫という輩であるのだ。
「それも清原が荒らしたロッカールーム戻してる人をだよ」
「何してるか聞かないで」
「その人が荒らしたと短絡に考えて」
 川相をそうだと勝手に解釈したのだ。
「そうする位のね」
「最低野郎ですね」
「しかも清原が暴れた理由は」
「自分が懲罰で僭主の人達を雨の中グラウンドで走らせて」
「自分は衝動でお喋りしてだったから」
「記者の人達と」
「そんなのだから」
 だからだというのだ。
「余計に酷いよ」
「何処が紳士か」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「堀内はね」
「それで撮り鉄はですね」
「堀内と同じで」
 そうであってというのだ。
「一部にしてもね」
「マナーが悪くて」
「偽物だよ、本物はね」
「紳士ですね」
「そうだよ、私はマニアだとね」 
 鉄道のというのだ。
「最低限のね」
「マナーはですね」
「守っていたいと思っているし」
「本物だとですね」
「思いたいよ」
「マナーですね」
「私は模型の方でね」 
 所謂鉄道模型派だというのだ。
「それでね」
「そちらに凝っていますね」
「随分お金と時間をかけて」
 客に微笑んで話した。
「そしてね」
「楽しんでいますね」
「そうしているよ」
 実際にというのだ。
「若い頃からね」
「そうですか」
「そしてね」
 そうであってというのだ。
「お家でもだよ」
「かなりですか」
「家族はあまりね」
 ここで苦笑いで話した。 
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