ドリトル先生とサーカスの象
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第三幕その五
「その国を滅茶苦茶にしたね」
「そうそう」
「法律じゃなくて暴力を使って」
「ボサカとかアミンとか」
「メンギスツとかね」
「ああなったら駄目だよ」
先生は全力で否定しました。
「何があってもね」
「暴力を使って悪いことをする」
「本当に論外だよね」
「何があっても許したらいけない」
「そんな人達よ」
「そうだよ、アフリカの発展がどれだけ遅れたか」
その独裁者達によってです。
「多くの犠牲も出て」
「そうしたことを見るとね」
「尚更だよね」
「暴力は否定すべきものだね」
「何があろうとも」
「ケニーも暴力を受けなかったら」
先生はここでまた彼のことを思い出しました。
「よかったね」
「そうだね」
「まさにその暴力の犠牲者だったから」
「赤ちゃんなのに死んだ」
「そんな子だから」
「人間でも暴力を受けたら駄目で」
そうであってというのです。
「そしてね」
「生きものでもだしね」
「暴力は受けたら駄目だよ」
「誰であってもね」
「だからあのサーカス団に暴力がなくてよかったよ」
先生は今度はほっとしたお顔で言いました。
「僕も嬉しいよ」
「これからもそうであって欲しいね」
「八条サーカス団に暴力はいらないよ」
「何処にもあってはならないし」
「これからもだね」
「あのサーカス団は生きものを大事にすべきだよ、それに」
先生はさらに言いました。
「人間のスタッフの人達もね」
「待遇がよくて」
「健康的でね」
「明るい感じだったわね」
「どの人も」
「そのこともよかったよ」
笑顔で言うのでした。
「生きものだけでなくね」
「人もそうでね」
「本当に何よりだね」
「皆そうでね」
「全くだよ」
先生は笑顔のままさらに言いました。
「そのことが嬉しいよ」
「そうだね」
「そうして見るといいサーカス団だね」
「設備も整っていて」
「皆頑張ってるし」
「演目も多いしね」
「いいサーカス団ね」
「そうだね、ショーも期待出来るね」
そちらもというのです。
「それじゃあね」
「ショーも観ようね」
「行ってね」
「そうしてね」
皆も言います、そうしてでした。
先生は論文に戻りました、どんどん書いていきます。そしてお昼は団長さんと一緒に大学の食堂で食べましたが。
ページ上へ戻る