おじさんのアルバイト
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第二章
「そうでして。日本のお店の経営を知る為に」
「その為にですか」
「日本に来られて」
「アルバイトをされましたか」
「はい」
そうだというのだ。
「二月の間」
「そうだったんですね」
「それで、ですね」
「アルバイトとして働かれて」
「日本のお店のことを学んでくれていたんだ」
稲垣も話した。
「ブレディさんはね」
「フランスの人とうことも気になっていましたが」
「そうした事情があったんですね」
「お仕事凄く出来て上品で」
「どんな人かと思っていれば」
「非常に多くのことを学ばせてもらいました」
ブレディは店員達に微笑んで話した。
「その通りです、ですから」
「フランスに戻られて」
「フランスの文化や経営の在り方も見まして」
ブレディは稲垣にも話した。
「そしてです」
「そのうえで、ですね」
「日本の経営を取り入れていきます」
「そうされますね」
「まず責任者が学ぶ」
経営のそれをというのだ。
「そうしていきます」
「それでは」
「この二月有り難うございました」
ブレディは日本のお辞儀をした、そしてだった。
フランスに戻り日本で学んだことを活かしてフランスの各店の経営をさらによくした、稲垣はその話を聞いて本社である重役に話した。
「いや、最初は驚きました」
「ブレディさんがお店に来られてだね」
「はい、フランスからわざわざ」
「実際に行ってね」
「学ばれたんですね」
「うん、そして今実際にね」
ブレディ、彼はというのだ。
「その学んだことを活かしているよ」
「アルバイトをした」
「そうだよ、だからね」
「今回のことはよかった」
「ブレディさんもそう言っているよ」
「それは何よりですね」
稲垣もそれはと笑顔になった、そしてだった。
彼は店長として働き続けた、そうしてアルバイトの店員も採用していった。今度はブレディの様な店員は来なかったことは言うまでもない。
おじさんのアルバイト 完
2025・6・20
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