ハッピークローバー
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第百七十五話 寒くなってきてその六
一華は部活の朝練が終わると着替えてからクラスに入った。そのうえで授業を受けたが昼食の後でだ。
達川にそうしたことを話すと彼は一華に食べ終えた弁当箱を収めつつ言った。
「欧州じゃお酒も温めるね」
「日本で言う熱燗ね」
「ワインをそうしてね」
「ホットワインね」
「そちらを飲むんだよね」
「あれね、私飲まないのよ」
一華も自分の弁当箱を収めつつ話した。
「ホットワインは」
「俺もだよ、あまりね」
「飲もうと思わないわよね」
「ワインっていうと」
この酒はというのだ。
「冷やして飲む」
「そうするわね」
「基本お酒は季節に関わらず」
「冷えたものね」
「ビールだってね」
「冬も冷えたのね」
「ストロング系だってね」
「私もね。うち皆お酒好きだけれど」
両親供にというのだ。
「熱燗も飲まないわ」
「日本酒の」
「泉鏡花さんと違ってね」
「あの人は夏も熱燗だったんだよね」
かなり沸騰させてから飲んでいた、人はそれを泉燗と呼んでいた。
「お豆腐も湯豆腐で」
「夏に熱燗と湯豆腐はね」
「ないね」
「私湯豆腐好きだけれど」
それでもとだ、一華は話した。
「冷奴も食べるし」
「冬でも」
「そうするしね」
それにというのだ。
「お酒は日本酒でもね」
「温かくしないね」
「けれど熱いお酒はね」
ホットワイン等はというのだ。
「温まるそうだよ」
「そうなのね」
「スープやシチューもいいけれど」
そうした料理だけでなくというのだ。
「ホットワインも飲んでウォッカもね」
「飲むのね」
「フィンランドの子が言ってたよ」
北欧の一国であり冬は零下三十度にも達する。
「ウォッカをどんどん飲んでね」
「温まるのね」
「サウナもあるしね」
「フィンランドイコールサウナね」
「そうしてあの寒さを乗り切るらしいよ」
「北海道よりずっと寒くても」
「そうだよ、オーロラだって見えるんだよ」
北欧の特徴の一つだ、白夜もある。
「お日様が出ない時も多いし」
「寒さの質が違うわね」
「冬は寒いっていうスコットランドよりもね」
さらにというのだ。
「まだ寒いから」
「ウォッカやサウナで乗り切るのね」
「食べるものも熱いものがあって」
「乗り切るのね」
「そう、そして」
そのうえでというのだ。
「温めたワインとかもね」
「飲むのね、うちじゃそうしたお酒飲まないから」
だからだというのだ。
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