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厳し過ぎても駄目

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第一章

               厳し過ぎても駄目
 広岡達郎の管理野球は彼が呉出身でご父君が海軍に関係する場所で働いていたことから帝国海軍の影響が強いという。
 事実帝国海軍の軍機軍律そして訓練の厳しさは世界屈指であった。
「日本海軍怖いよ」
「あんな管理していたのかよ」
「鉄拳制裁も有名だったしな」
「絶対に入りたくないな」
「今に生まれてよかったよ」
 今はこう言う人も多い、だが。
 広岡自身はだ、こう言った。
「かなり誤解があるな」
「えっ、本当ですか?」
「そうだよ、私の野球については」
 親しいジャーナリストに話した。
「かなりな」
「管理野球ですよね」 
 ジャーナリストは広岡自身に問うた。
「海軍式の」
「確かに海軍の考えを取り入れてるよ」
 広岡もこのことを否定しない。
「私の野球は」
「そうですよね」
「それであれだな」
 広岡はさらに言った。
「白米、肉、酒は禁止」
「全面的に」
「練習も厳しくて」
「それで西武を常勝軍団にしましたね」
「ヤクルトでも優勝したしな」
「そうですよね」
「しかし誤解があるんだよ」
 広岡は確かな声で述べた。 
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