いけてる声
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第一章
いけてる声
人気声優火山由幸の声は兎に角格好いい、ヒーローでも悪役でもそうであり演技力とその声のよさが長い間ファン達から愛されている。
一七〇程の太った身体付きで顔も丸々としていて目は細い。癖のある収まりの悪い黒髪で性格は穏やかで懐が広い。
だがその彼についてだ、高校生の武村来栖細面で大きな丸い目で黒髪を短くした背が高く痩せている彼が友人の播磨武将に言った。
「俺このまえエロゲやってたんだよ」
「あれ十八禁だろ」
播磨はまずはこう返した、背は武村と同じ位で太っていて四角い顔で小さな目で黒髪を真ん中で分けている。
「いいのかよ」
「内緒でな」
「ああ、それか」
「やってたらな」
そうしたゲームをというのだ。
「火山さん出たんだよ」
「そうなのか」
「芸名は違うけれどな」
「どんな芸名だったんだ」
「何か変な名前だったよ」
キャストで出て来るそれはというのだ。
「どうもな」
「ああしたゲームあるあるだな」
「おい、何でお前そう言えるんだよ」
「俺もやってるからだよ」
播磨は平然として答えた。
「だからだよ」
「言えるんだな、お互いかよ」
「はっきり言えばな」
「じゃあさっきの突っ込み何だ」
「気にするなよ、兎に角な」
播磨はあらためて言った。
「そのゲーム火山さん出てたんだな」
「エロゲだからそうしたことしまくる中でな」
まさにその中でというのだ。
「あの恰好いい声出たんだよ」
「叫びもか?」
火山はそちらでも有名であるのだ。
「出たのかよ」
「勿論な、独特のあの叫びもな」
武村もそうだと答えた。
「出たよ」
「そうだったか」
「ああ、何なら貸すからな」
武村は自ら申し出た。
「それでな」
「確かめればいいな」
「そうしてみるか?」
「そのゲームエロ要素どうなんだ」
「折り紙付きだよ」
武村はにやりと笑って答えた。
「文句なしのな」
「そうか、じゃあ貸してくれ」
「今日家帰ったらお前の家に行くからな」
そうしてゲームを渡すというのだ、こう話してだった。
播磨は武村からそのゲームを借りてプレイしてみた、普通にアニメに出ている女性声優達が裏名義で出ているのはお約束で。
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