金木犀の許嫁
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第六十九話 忍者の現実その八
「とてもね」
「そうよね」
「しかも威力はね」
手裏剣のそれはというと。
「大したことないし」
「刃が短いから」
「苦無でもね」
この武器もというのだ。
「重いしナイフと変わらないから」
「威力は落ちるのね」
「人を一撃で倒せるとか」
投げたそれでというのだ。
「毒を塗っていてもね」
「すぐにはよね」
「そうだしね」
それでというのだ。
「本当にね」
「威力は低いのね」
「あまり持てないし」
そもそもというのだ。
「サバイバルアーツみたいに使う方がね」
「多いわね」
「そうだよ」
実はというのだ。
「これがね」
「そうよね」
「もうね」
それこそというのだ。
「手裏剣も誤解されていて」
「あまり投げないのね」
「そうだし」
実際にはというのだ。
「武器としてはね」
「あまりよね」
「そうだよ、どうしてもね」
「武器としてはなのね」
「いいとは言えないんだ」
そうだというのだ。
「決してね」
「刀もそうよね」
「うん、だからそうはね」
「武器としては使わなくて」
「本当に牽制位で」
そのレベルでというのだ。
「逃げる時や暗殺でね」
「使うのね」
「あと吹き矢だね」
「あの武器ね」
「あれは音を立てないから」
だからだというのだ。
「結構ね」
「役に立つのね」
「そうなんだ、ただ実際には使わないから」
「暗殺だから」
「そんなこと今更しないし」
「普通はそうよね」
「俺達そんな仕事絶対にしないから」
佐京はこのことは断った。
「絶対に」
「忍者であっても」
「少なくとも維新になってからは」
それからはというのだ、佐京は夜空に対して確かな声で話した。それはまさに事実を語っている言葉だった。
「そうだよ」
「やっぱりそうよね」
「忍術はそうしたことに使うこともあれば」
「平和な目的にもよね」
「使えるから」
そうしたものだからだというのだ。
「本当にね」
「維新からは。軍にいた時はわからないけれど」
「あっ、昔は徴兵制あったわね」
戦前の日本ではとだ、夜空もこのことに気付いた。
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