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毎日入浴しない国

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第一章

                毎日入浴しない国
 カナダから日本に来て働いているトーマス=グローク大柄で黒髪をセットしている黒い目に愛嬌のある顔立ちの彼は日本で同僚の松本高時黒髪をショートにしていて大きな切れ長の目と細面の顔に薄い唇を持つグロークより少し背の低い彼に仕事帰りに居酒屋でビールを飲みつつこんなことを言った。
「日本に来てから毎日お風呂に入ってるよ」
「ああ、カナダだと」
 松本は一緒にビールを飲みつつ応えた、二人共ホッケや枝豆を肴にしている。
「毎日入らないんだ」
「シャワーが多いけれど」
「寒くて空気も乾いてて」
「汗をかかないからね」 
 そうした気候の国だからだというのだ。
「毎日はね」
「入らないね」
「日本と違うから」
「日本はカナダよりずっと暑いし」
「というかカナダが寒くて」
 グロークは松本に笑って話した。
「日本は比較するとずっとね」
「寒いってことだね」
「それで汗かかないんだ」
「しかも日本は湿気が多くて」
「余計に汗をかくから」
 気温だけでなくというのだ。
「それでね」
「そうだね」
「そして」
 さらに話した。 
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