ドリトル先生とサーカスの象
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第一幕その八
「あらゆるものに心が宿ると言われていますね」
「ですから粗末にはです」
「扱っては駄目ですね」
「機械でも」
「そうした考えならです」
それならというのです。
「まことにです」
「粗末にしてはいけないですね」
「はい」
絶対にというのです。
「してはなりません」
「そうですよね」
「ですから機械も大切にするのですから」
「象は当然ですね」
「明らかに命があり」
そうであってというのです。
「心があるのですから」
「だからですね」
「そうしたです」
「酷い扱いをすることは」
「あってはなりません」
絶対にというのです。
「本当に」
「その通りですね」
日笠さんも確かなお顔で頷きます、そして象の家族を観ますと。
子供の象はお母さん象と一緒にいます、十歳位ですがぴっしりと寄り添っています。日笠さんはその子供の象を観て先生に言いました。
「あの子は十歳になったばかりです」
「象ではまだ子供ですね」
「人間と同じで」
そうであってというのです。
「本当にです」
「子供ですね」
「ましてや三歳ですと」
「やっと物心ついた様な」
「まだおむつをしている様な」
人間で言うと、というのです。
「そうしたです」
「子供ですね」
「そんな子に虐待みたいな調教を与えて」
「何かあると耳の後ろをです」
そちらをというのです。
「象が特に敏感な」
「その部分を鉤爪のある棒で叩く」
「物凄く痛い思いをさせて」
そうしてというのです。
「無理矢理芸を教えて」
「芸をさせましたね」
「体調が悪くても」
「それで死なせましたね」
「そんなことをしてはです」
「絶対にいけないですね」
「そんなことをする人がです」
まだ子供の象を虐待する様な人がというのです。
「学校の先生になりますと」
「生徒さん達を虐待しますね」
「そして笑う様な」
「とんでもない先生になりますね」
「そうした人は日本ではです」
どうかといいますと。
「学校の先生になることが多いので」
「先生の暴力事件が多いですね」
「そう思います、自分がそんなことをされたどうか」
どれだけ辛いかというのです。
「そして受ける象がどんな気持ちか」
「考えることですね」
「そんなことを考えないで」
そうしてというのです。
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