| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八百二話 軍人と和歌その八

「食べる場所はね」
「違ってたのね」
「そうだったのがね」
 それがというのだ。
「自然と階級が違っても」
「そうした差別はよくないって」
「軍隊の階級は違っても」 
 それでもというのだ。
「同じ人間だから」
「同じ場所で食べる」
「そうすべきだってね」
 その様にというのだ。
「意見があって」
「それでなのね」
「そう、それでね」
 そうであってというのだ。
「今はね」
「士官の人達も同じ食堂で食べてるのね」
「司令官だってね、元帥も二等兵も」
 最高位の階級と一番下の階級の者達もというのだ。
「同じ食堂でね」
「食べるわね」
「そうよ」
 まさにというのだ。
「そうしているのよ」
「それが正しいわね」
「連合の方がね」
「連合は」
 自分達の国はというのだ。
「そうした国よ」
「いい国よね」
「階級がなくて」
 そうした国でありというのだ。
「自由と平等がね」
「ある国ね」
「独裁者はいなくて」 
 連合では否定されている者達だ。
「正しい民主主義もある」
「そうした国ね」
「だからね」
 それでというのだ。
「軍隊の食べるものもね」
「皆同じで」
「食べる場所もよ」
「同じね」
「お仕事を離れたら」
 軍隊のそれをだ。
「もう完全にね」
「同じ人間よね」
「差別なんてないね」 
 階級をそう言った、連合では階級はまさに差別の象徴でありエウロパは差別主義の国と考えられているのだ。
「平等な国よ」
「三百以上ある全部の国がね」
「色々な国があるけれど」
 連合はというのだ。
「自由で平等で」
「民主主義の国だからね」
「連合はいいのよ」
「正しいわね」
 彰子も言った。
「そうした国こそが」
「そう、そしてね」
「そして?」
「エウロパは階級があってね」
「差別が当然ね」
「貴族はふんぞり返っていて」
「軍隊でもそうね、そういえば貴族なら」 
 彰子もエウロパの社会について話した。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧