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世界の礎

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第二十話 広大な土地その五

「やがてな」
「それで今はですね」
「シベリアに調査隊を送っていく」
「空からも」
「そうしていく」
 こう言ってだった。
 義青はシベリアの調査をはじめた、多くの調査隊を空からも送ってそのうえで丹念に調べた。そうしてだった。
 その環境を把握した、そうして言った。
「予想通り人はかなり少ないな」
「北極圏に至ってはです」
 ハルーシが彼に言った。
「広大な地域があろうとも」
「誰もいないな」
「そうなっています」
「人が住める環境ではない」
「ですから」
 だからだというのだ。
「広大な地域でもです」
「人は非常に少なくな」
「その中の広大な範囲にです」
「誰もいなかったりする」
「シベリアは」
「そうだな、調査してみてだ」 
 そうしてというのだ。
「そのうえでだ」
「わかりましたね」
「確かにな、だからな」 
 義青は話を続けた。
「集落に使者を送り」
「帝国に入る様に言い」
「その統治はそのままだ」
「彼等に任せますね」
「租税もな」
「彼等のものであり」
「大々的に産業を興しはしない」 
 それぞれの集落でというのだ。
「それはしない」
「彼等のそのままの暮らしを保障し」
「暮らしてもらう、文明も伝えるが」
「彼等の暮らしはですね」
「そのままだ、資源の採掘はな」
 それはというと。
「帝国として行う、彼等がそのままの暮らしを望むなら」
「それでよく」
「大きな街や村もだ」
「築かないですね」
「シベリアではな」
「左様ですか」
「アマゾンやサハラ程ではないが」
 二つの環境があまりにも過酷な地域程ではないがというのだ、義青にとってこの二つの地域は人が入られない世界であり事実そうなっている。
「人が入らないな」
「そうした地域ということですね」
「そう認識してだ」
 そのうえでというのだ。
「治めていく、いいな」
「それでは」  
 ハルーシもそれではと応えた。
「その様に」
「統治していく」
「シベリアについては」
「街を築くにしてもな」 
 それでもというのだ。
「オビ川やエニセイ川、レナ川等のだ」
「流域であり」
「他のだ」
「何もない場所にはですね」
「森か氷原にはな」
「築かないですね」
「築けたものではない」
 そもそもというのだ。 
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