| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第八百二話 軍人と和歌その六

「元帥でもね」
「スターリングや蝉玉のお祖父さんね」
「あの人達も兵隊さん達と同じ食堂でよ」
「同じもの食べてるわね」
「そうしているのよ」
「平等にね」
「階級が上がるとお給料や権限は上がるけれど」
 それでもというのだ。
「他のことはよ」
「同じね」
「士官室の係の人達がいても」
 それが専門の職種にもなっている、だがそれでもなのだ。
「士官の人達も自分のことはね」
「自分でするのよね」
「軍服や作業服にアイロンを当てて」
 士官室係が暇ならそうしたことを行う場合もある。
「靴だってね」
「自分で磨くわね」
「これがエウロパだと」
 彼等ならというと。
「アイロンがけも靴磨きも」
「従兵の人達がして」
「それでね」
 そうであってというのだ。
「自分では自分のことはね」
「しないわね」
「士官になったらそうで」
 その入り口と言っていい少尉の時点でだ、もっと言えば准尉も士官であるのでそうなっているのだ。
「偉くなるとね」
「専属のシェフの人がついて」
「特別なメニューをね」
「いつも食べるのね」
「そう、しかも司令官の乗る軍艦には」 
 それにはというと。
「オーケストラがいるのよ」
「オーケストラ?」
 そう聞いてだ、彰子はまずは首を傾げさせた。そのうえで七美に問うた。
「軍楽隊よね」
「その人達よ」
 彰子もそれはと答えた。
「その人達が乗り込んでるのよ」
「どうしてなの?」
「司令官が食事を食べる時にね」
 まさにその時にというのだ。
「音楽を演奏するのよ」
「その為に乗ってるの」
「一緒にね」 
 そうだというのだ。
「エウロパじゃね」
「お食事の時はいつもなのね」
「そう、本当にね」
 まさにというのだ。
「演奏してるのよ」
「生演奏ね」
「連合じゃBGMだけれど」 
 それがというのだ。
「あっちは贅沢にね」
「司令官の人には」
「艦隊司令からは」
 その役職からはというのだ。
「もうね」
「そうしているのね」
「そして」
 それでというのだ。
「何様って感じでね」
「食べてるのね」
「フルコースをよ」
 それをというのだ。
「個室で豪勢に従兵の人達に持って来させて」
「優雅に」
「そう、優雅にね」
「何かお貴族様って感じでね」
 彰子は顔を雲わせて話した。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧