暑くなると早く散歩に
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第一章
暑くなると早く散歩に
五月といえど暑い、それでだった。
ふわりの家族である国崎家の父親文太は妻の百合子に言った。
「明日も朝早くな」
「ふわりのお散歩に行かないとね」
「そうしないとな」
こう言うのだった。
「やっぱりな」
「そうよね」
「暑いとな」
どうしてもというのだ。
「犬にとってしんどいからな」
「犬は体温高いでしょ」
「だからな」
それでというのだ。
「冬は抱いて寝るな」
「そうした人いるでしょ」
「そのまま暖房になるからな」
「だから夏はね」
この季節はというのだ。
「くれぐれもね」
「気を付けないとな」
「犬にとってはよ」
「注意しないといけない季節で」
「それでよ」
だからだというのだ。
「お散歩もね」
「早くだな」
「そうよ」
まさにというのだ。
「そうしないとね」
「駄目だよな」
「ふわりがうちに来てから」
それからというのだ。
「ずっとでしょ」
「このことはな」
「言っていてね」
そしてというのだ。
「そのうえでね」
「やってるな」
「さもないとな」
「そう、暑さでね」
今話しているそのことでというのだ。
「ふわりが困るから」
「それもかなりな」
「暑い時に行って」
散歩もというのだ。
「脳梗塞になった子もいるのよ」
「脳梗塞か」
そう聞いてだ、文太は言った。
「それはな」
「危ないでしょ」
「死ぬぞ」
こう妻に返した。
「それこそな」
「最悪ね」
「死ななくてもな」
それでもというのだ。
「障害が残ってな」
「大変でしょ」
「そうなるからな」
だからだというのだ。
「本当にな」
「気を付けないとね」
「そうだよな」
妻に返した。
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