ハッピークローバー
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第百七十一話 家に帰ってその六
「そこまでしてもらうのは悪いから」
「そうなんだ」
「ええ、じゃあここでね」
「お別れだね」
「それで今度ね」
一華は別れ際にこうも言った。
「部屋来る?」
「一ちゃんのお部屋に」
「どう?」
こう言うのだった。
「今度ね」
「そうしていいんだ」
「いいわよ」
達川に微笑んで答えた。
「流石に今はね」
「駄目だね」
「夜遅いしお父さんお母さんにもお話していないし」
「それでだね」
「お話しておくから」
両親にはというのだ。
「それからね」
「一ちゃんのお部屋にだね」
「来てね、それでお部屋でお話しましょう」
「それじゃあね」
「それじゃあ今日は」
「うん、お休み」
「お休みなさい」
二人で別れの挨拶を行ってだ、達川は自分の家に帰った。一華は部屋の扉を開けて中に入った。そして只今と言うと母がすぐに言ってきた。
「お風呂入られるわよ」
「あっ、置いていてくれたの」
「ええ、入りなさい」
こう言うのだった。
「やっぱり女の子は身体奇麗にしないといけないからね」
「それでよね」
「そう、それで身体温めて疲れも取って」
そうもしてというのだ。
「寝なさい」
「歯も磨いてね」
「そうしなさいね」
「お風呂上りに牛乳飲んでいい?」
一華は母に問うた。
「そうしてもいい?」
「いいけれど飲み過ぎないでね」
母はそれは注意した。
「冷蔵庫の牛乳は冷えてるからね」
「だからよね」
「そう、それでね」
そうであってというのだ。
「程々にして」
「飲み過ぎないことね」
「そこは注意しなさいね」
「そうするわ、じゃあお風呂入るわね」
一華はリビングでテレビを観ている母に応えた、見れば父もリビングにいて自分のスマートフォンを観ている、父もここで挨拶をしてきた。
「ああ、お帰り」
「只今、お父さん」
「お風呂入るんだぞ」
父も言ってきた。
「女の子は毎日な」
「うん、入るわね」
「そうするんだぞ、最後はお父さんが入るからな」
「まだ入っていないの」
「お父さんは最後に入るのが好きだからな」
娘に笑って話した。
「だからな」
「それでなのね」
「それでお風呂も洗うからな」
入った後でというのだ。
ページ上へ戻る