真剣で軍人に恋しなさい!
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『初対面と司桐の過去』
前書き
前回まての話ーー
英雄に万年筆をあげたら、喜ばれました。以上
「いやコレ、ファッションだからね! 決してハゲな訳じゃないからね!」
「ツンデレならキモいよ~?」
「朝礼で百代さんにシメられていた方ですね。初めまして、葵冬馬と言います」
「ああどうも、F組在籍の鷹槻司桐だ。ま、宜しくな」
ユキとハゲのやり取りを横目に、冬馬と手を交わす
「しかし、貴方がユキの言っていた鷹槻司桐ですか・・・」
ん? そこで何故俺の名とユキが出てくるんだ?
「あぁ、いえ、貴方が来る前にユキがよく話していたものですからね・・・そう言えばそうと、司桐さんは過去に英雄と何かあったのですか?」
あー、まぁ、話していいかもな・・・
「アイツと知り合ったのは数年前、とあるパーティでのことだったーー」
◇
数年前ーー
俺は招待され、そのパーティに来ているーーと言う程で来ていた。本来の目的は、九鬼英雄の護衛の任務で俺一人で行っていた。
パーティは何事も無く無事成功し、任務も終わりを迎えるーー筈だった
ドガァンッ!!
激しい爆発と共に、壁の残骸や火の粉が飛び散る
俺はすぐさま電鍵を隠し持ち、モールス信号を開始する
・・・ーーー・・・
取り合えず、これで軍は動くはずだ・・・とりあえず、市民の避難を!
「皆の者! 我先へ行こうとするな! 落ち着いて行動しつつ避難をしろ!」
俺が言う事を代弁してくれたのは、以外にも以外の九鬼英雄だった・・・九鬼を見くびってたな
普通のお偉い方なら招待客を差し置き、我先へ逃げる者だと思っていたが九鬼英雄は違っていた
招待客の避難を第一とし、避難誘導をしていた
「そこの男!早く避難しろ!」
「いや、避難誘導を手伝わせてくれ」
俺の言葉を聞いた時、英雄は一瞬驚いた表情をしたが直ぐに活動へもどった
そんな所にーー
ズガガガガッ!!・・・カランカラン
銃声と空薬莢が落ちる音が、一瞬にして静寂と化した会場に響きわたる
「全員手を上げろ! この会場は我々が占拠した!!」
突然のテロリスト襲来だった。
再びモールス信号を本部に送り、要請する
敵は見た限りでは7、8人・・・武装はSMGとHGが4、5人、SGとARが2、3人・・・テロにしちゃあ、大袈裟過ぎやしないか?
しかも、女性の傭兵らしき人負傷してるし・・・ハァ・・・
客は殆ど待避させた・・・残っているのは俺と九鬼英雄と女傭兵の三人・・・
「どんな無理ゲーだよっ!」
閃光手榴弾(フラッシュバン)のピンを抜き、相手に向かって投擲すると同時に身近にあったテーブルを倒し、簡易バリケードを作る
「二人とも、こっちだ!!」
俺の呼びかけに反応した二人は、姿勢を低くしつつコチラへ来た
「・・・貴様、何者だ?
「ドイツ軍の鷹槻 司桐です。揚羽様の依頼でここに居ます」
「姉上からだと?・・・司桐と言ったな。貴様は姉上のーー」
ズガンッ!
銃声の後にポンプアクション特有の薬莢の排出音が聞こえる・・・ショットガンか・・・
「九鬼様、これをその女性にコレを注射し、傷口に包帯を巻いてください」
ポケットの内側から取り出したのは『アドナ』と言う止血剤と少し厚手の包帯を英雄に渡す
「お前はどうするのだ!?」
「当然、鼠の排除ですよっ!」
二つ目の閃光手榴弾を投擲し、懐から『ベレッタPx4』と『グロック17』を抜き、駆ける
ズガンッ!
まず一人、近距離shoulder shot
「んの野郎がああぁぁっ!!」
視界が回復せず躍起になったのか、アサルトライフルを乱射するがーー
「判断ミス」
ズガガンッ!!
相手の後ろを取るように飛び上がり、両肩に発砲し、無力化
まず二人・・・後は5、6人
「ARは一人、SMGとHGは変わらず5人・・・クッ」
カバーポイントから僅かでも顔を出せば、鉛弾が撃ち込まれる・・・おお怖っ!
「最後のフラッシュバンだが、惜しんでられねぇなっと!」
最後の閃光を投げ、視覚、聴覚を一時的に奪い・・・一気に駆ける
一人目、顔面に肘打ちをし背負い投げ・・・二人目、鳩尾に膝蹴りを重く打ち込み、ダウン・・・三人目、首筋を銃把(グリップ)で強く叩く
四人目、スリーパーホールドで気絶・・・ラスト5人目、
「さあどうする? アンタらのお仲間は新兵以下・・・死ぬか?」
額にグロック17を突きつけ問う
「聞いてねぇぞ・・・アンタみたいな凄腕がいるなんてよ」
そりゃそうだ。軍認証の揚羽さんからの依頼だもの
その時、ヘリのメインローターが大きくなっているのを感じたと同時にーー
「司桐っ! 大丈夫でしたか!?」
心配そうな声を掛けてきたのは、同じドイツ軍のマルギッテ・エーベルバッハだった
「ああ。それより救護班、負傷者一名居るからな! ほかの班は周辺、会場の見回りをしとけ! 護衛対象は無事だ、目的地までの護衛は頼むぞ」
こうして、九鬼英雄の護衛任務は幕を閉じた
◇
「とまぁ、中途半端で大体な話だが・・・ま、そんなこんなな訳ですわ」
「英雄と貴方にそんな事が・・・」
「あ、この事は他言に無用で頼むぞ?」
「えぇ、口は堅いと自負してますからね」
「司桐~帰ろうよ~」
「ああ、んじゃ帰るか・・・んじゃな」
「じゃ~ね~、冬馬に準?」
「ええ、また明日」
「何で俺だけ疑問系!?」
予想以上の道草を食いつつ、帰路についた
後書き
モールス信号は『ダブルフェイス~偽装警察官~』から頂きました。
あんな単純な音で状況を伝える技術は、凄いと思いましたね・・・
一応、次回から銃を出しますが、色々おかしな所があると思いますが、なま暖かい目で見てください
2/25 修正
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