結婚相手にしてはいけない人
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第一章
結婚相手にしてはいけない人
ぱっと見てだ、大きな病院で医師をしている藤本涼香黒髪を後ろで束ねすっきりした顎と切れ長の二重の目と桃色の唇と色白の肌を持つ一六〇程の背の均整の取れたスタイルの如何にも大和撫子という外見の彼女は祖母の真帆が紹介した若い男を見てからだった。
彼が去ってからだ、祖母に囁いた。
「あの、お祖母様」
「わかりますね」
「はい」
病院で副院長をしている祖母に答えた、尚院長は彼の夫で涼香の両親も兄も医師として病院で勤務している。
「どう見てもです」
「お付き合いしてはいけません」
「そうですね、もうです」
涼香はさらに話した。
「私でもです」
「実は知人のお孫さんで」
「そうなのですか」
「知人からその人の結婚相手を探して欲しいとのことですが」
孫娘に話した。
「貴女も思いましたね」
「あの、あの人と結婚どころか」
涼香は真帆に話した。
「お付き合いもです」
「してはいけません」
「そうですね、何しろです」
涼香は深刻な顔で述べた。
「全身見えるところにまでタトゥーがあり」
「しかも異様な模様の」
「お顔にまであって」
そのタトゥーがというのだ。
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