不倫は破滅
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第二章
「あの娘が不倫するなんてね」
「思わなかったわね」
「清純そうに見えてね」
「実は略奪上等のね」
「そうした娘だったのね」
「ほら、前もあったじゃない」
堤子は凛にポテトチップスを食べつつ話した。
「結婚している女優さんが」
「ああ、シェフか何かの人と不倫して」
「離婚だCM降板だのね」
「降板での迷惑料とかね」
「そうしたお話になって」
それでというのだ。
「大騒ぎになったわね」
「それで今回の娘もね」
彼女もというのだ。
「今炎上中でしょ」
「ネット全体でね」
「もうね」
それこそというのだ。
「イメージガタ落ちで」
「折角の清純派のイメージがね」
「ドラマとかCMもどうなるか」
「わからないわね」
「不倫したらね」
凛は柿ピーを齧ってからビールを一口飲んで話した。
「ああなるのよ」
「現実はね」
「いいことなんてないわね」
「というかどうしても交際したいなら」
堤子は評決のレモンを飲みつつ言った。
「あれよ」
「あれっていうと?」
「二次元よ、二次元なら浮気にも不倫にもならないわよ」
そのどちらにもというのだ。
「だからいいのよ」
「その手があるわね」
「そう、だからね」
それでというのだ。
「そっちよ、漫画でもアニメでもゲームでも小説でもね」
「色々あるわね」
「そっちに向かえばいいのよ」
二次元にというのだ。
「それで自分で、ってなったら」
「女の人もするしね」
「男の人だけじゃなくてね」
「それでいいわね」
「浮気や不倫にならないから」
リアルのというのだ。
「いいわよ」
「そうよね、不倫は文化じゃなくてね」
「破滅よ」
堤子は言い切った。
「こう言ったっていう俳優さん実際は言ってなかったらしいけれど」
「それでえらいことになったわね」
「あの人もね、男の人もそうなるし」
「浮気、不倫はしない」
「特に不倫はね」
「して破滅なんてね」
凛はそれこそと言った。
「馬鹿過ぎるわね」
「全くよ、あの娘もどうなるか」
「これからも大変でしょうね」
スマートフォンでそうした話をしつつ飲んで食べた、そして二人共こっそりと今話題の日本刀が題材のゲームをはじめて推しのキャラを持ったのだった。
やがて二人も交際を経て結婚に至ったがそれぞれの伴侶と共に時に二次元に向かっても不倫はしなかった。それでそちらでは大事なく暮らせたのだった。
不倫は破滅 完
2025・5・18
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