おぢばにおかえり
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第八十五話 奈良市その十二
「本当にです」
「新一君は嬉しいのね」
「いさんでやらせてもらいます」
「あの、奈良県はね」
私は新一君にあらためて言いました。
「おぢばもあるしおみちの教会も多いし」
「縁のある場所も多いですね」
「特別な場所だから」
おみちにとってです。
「本当にね」
「色々知りたいですね」
「いい機会よ」
今はです。
「それが出来るね」
「それじゃあどんどん案内させてもらいますね」
「それでまずは商店街ね」
「こちらを案内させてもらって」
そうしてというのです。
「それからもです」
「案内してくれるのね」
「やっぱり大仏殿ですね」
そちらだというのです。
「欠かせないのは」
「奈良県の象徴だしね」
「鹿と並ぶ、まあ鹿はいいです」
鹿については少し嫌そうに言いました。
「あれは」
「鹿嫌い?」
「結構」
少し憮然としての返事でした。
「態度大きいですしちょっと悪戯したら隙を見て仕返しして人のお弁当やらお菓子から取って食べるんですよ」
「真ん中は駄目でしょ」
悪戯はです。
「ちょっとね」
「そうなんですがね」
「そういうことはしたら駄目よ」
新一君に注意しました。
「どうせ子供の頃に何かしたんでしょ」
「ちょっとからかったんですよ」
「やっぱりね」
そんなことだと思っていました。
「それでやり返されたのね」
「何もしないと思って屈んだら」
その時にというのです。
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