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ハッピークローバー

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第百六十九話 旅行その十四

「火葬にしたら骨も残らない」
「滅茶苦茶よね」
「その各税材をやっていて」 
 それでというのだ。
「太ってしかも重度の糖尿病で」
「ボロボロね」
「長くないよ」 
 古田は断言した。
「あいつは」
「どう考えてもそうね」
「しかもタトゥーまで入れていて」
 そうであってというのだ。
「肌もね」
「痛めてるわね」
「あれも身体に悪いから」
「入れた部分お肌が死んでいてね」
「皮膚呼吸も出来ないしね」
「身体に悪いわね」
「もうこうして考えたら」
 それこそというのだ。
「あいつはね」
「長生き出来ないわね」
「どう考えてもね」
「身体を鍛えていたけれど」
「もうだよ」
「その身体もボロボロで」
「長生き出来ないよ、あれがね」
 まさにというのだ。
「心を鍛えなかった奴の末路だよ」
「アベベさんと全く違うわね」
「恰好悪いね」
「ええ、これ以上はないまでにね」
「スポーツをしているなら心も鍛えないとね」
「健全な肉体にはね」
「健全な精神が宿るかしだね」
 古田はこう述べた。
「かし、はそうなって欲しいだから」
「ならないとね」
「駄目だよ」
「さもないとあいつみたいになるわね」
「ああなって幸せか」
「そんな筈ないわね」
「身体ボロボロになってお金もなくなって」
 そうしてというのだ。
「奥さんも逃げて周りに人がいなくなって」
「無様でね」
「どう見ても幸せじゃないから」 
 だからだというのだ。
「ああはね」
「なったらいけないわね」
「幸せになりたいと思ってもね」
 こうした話をしながら一緒にアベベの写真を見た、そこにいる彼は誇り高い表情を二人に見せていた。心がはっきりと感じられるそうした表情だった。


第百六十九話   完


                   2025・2・8 
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