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第百六十九話 旅行その一

                第百六十九話  旅行
 理虹は幽霊の恰好になってだ、雪女になった一華に言った。
「何か変わらないわね」
「雪女と幽霊ってね」
「ええ、外見はね」
「白い着物着てね」
 一華は自分の着物を見て話した。
「それじゃあね」
「変わらないわよね」
「幽霊は頭に三角の布あって」 
 そうしてというのだ。
「雪女は白い鬘被る」
「ロングのね」
「それだけの違いで」
「別にね」
「変わらないわね、けれどね」 
 一華は理虹に話した。
「違うのよね、これが」
「幽霊と雪女って」
「雪女は妖怪でね」
 そうであってというのだ。
「人間じゃないから」
「幽霊は人間なのよね」
「魂だからね」
 それでというのだ。
「もうね」
「人間よね」
「身体から出たら」
「幽霊なのよね」
「人間と幽霊の違いってね」
 一華は少し真面目な顔で話した。
「それ位のね」
「全く違わないのよね」
「だから生きていても」
 それでもというのだ。
「身体から魂が出たらね」
「生霊なのよね」
「それも幽霊だしね」
「それで死んでね」
 理虹はその場合も話した。
「身体から出ても」
「幽霊よ」
「こっちは死霊ね」
 一華に言った。
「そうなるわね」
「ええ、それで人間の本体は魂だから」
「身体じゃなくて」
「その魂が幽霊だから」
「要するにね」
「だからね」
 それでというのだ。
「幽霊は人間よ」
「紛れもなくね」
「だから」
 それでというのだ。
「幽霊と雪女はね」
「外見は似た様なものでも」
「違うのよね」
 こう理虹に話した。
「これが」
「そうよね」
「そういうことってあるしね、他にも」
「世の中ってね」
「生きものでもね」
「ああ、イモリとヤモリとか」
 理虹はこの生きもの達を思い出した。
「そうよね」
「そっくりだけれどね」
「大きさとか形とか」
「けれどね」
 それがというのだ。 
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