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八条学園騒動記

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第七百九十八話 泳いで詠ってその十三

「学問にも励んでいて」
「和歌も詠めたのね」
「だからね」 
 そうであってというのだ。
「武士の人達は凄かったのよ」
「尊敬するわね」
「私達もね、そうはね」
 それぞれのロッカーの前に来た七美はそこで水着を脱いで隣にいる彰子もそうした。そしてすぐにだった。
 身体を拭いた、それから下着を着て制服も着たが。
 そうしてからだ、七美は彰子にあらためて言った。
「いや、女の子でも武士にはね」
「なれるわね」
「昔は駄目だったけれど」
「今だとね」
「男女関係なくね」
「もう男女同権だから」
「それでね」 
 そうした世の中だからだというのだ。
「今はね」
「ちゃんとなれるわね」
「ええ、武士みたいに」
 彼等の様にというのだ。
「着物を着てね」
「武芸をして」
「和歌も詠えるわ」
「そうよね」
「まあちょん髷はね」
 七美は武士の髪形には笑って話した。
「流石にね」
「しないわね」
「あれはね」
 和歌を詠う為に更衣室から校庭の花がある場所に向かいつつ話した。
「不良の髪形だから」
「今の連合だとね」
「モヒカンとか辮髪とか」
「ちょん髷はね」
「不良の髪形で」
「普通はしないわね」
「特に剃ったら」
 それはというと。
「とんでもないね」
「大不良よね」
「そうなるから」
 それでというのだ。
「流石にね」
「しないわね」
「女の子は特にね」
「そうよね」
 彰子も笑って応えた。
「流石に」
「ええ、ただね」
「ただ?」
「そういうことはしなくても」 
 それでもというのだ。
「ああした髪形も嫌いじゃないわ」
「そうなの」
「武士のね」
「今は降漁の髪形でも」
「恰好いいから、武士ならロングにして」
 髪の毛を伸ばしてというのだ。
「後ろで束ねて」
「ポニーテールね」
「そうしてもいいしね」
「それだとね」
 彰子はその髪形を聞いて言った。
「幕末の志士みたいね」
「そうよね」
「志士も武士だし」
「そちらでもいいわね」
「志士の人達も文武両道だったのよね」
「そう、山縣有朋さんも」
 この人物もというのだ。 
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