世界の礎
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第十六話 地下世界へその三
「その時点でだ」
「敗れますね」
「そうなる、どれだけ優勢でもだ」
そうした状況でもというのだ。
「侮ればな」
「敗れますね」
「だから私は侮らずだ」
「それで、ですね」
「地下世界の大国にはな」
「大戦艦を送り」
「他の戦力もな」
大戦艦以外のというのだ。
「送る」
「どれだけの規模の軍を送りますか」
参謀総長のタルバーン、マミーの老人である彼が言ってきた。背筋がしっかりしていて如何にも軍人といった趣だ。
「一体」
「二百万だ」
義青はすぐに答えた。
「完全武装したな」
「その二百万で、ですか」
「攻める、当然物資もだ」
「揃えて」
「そしてだ」
そうであってというのだ。
「一気にだ」
「攻めますか」
「戦をするなら全力でだ」
「それも迅速にですね」
「戦いな」
そうしてというのだ。
「終わらせる、空と陸とだ」
「海からもですね」
「攻めてだ」
「終わらせますね」
「そうする」
こう言うのだった。
「いいな」
「それでは」
「また食料だが」
「缶詰や冷凍食品をですね」
「送ってな」
「将兵達に食べさせますね」
「そうする」
こうも話した。
「そうしたものもだ」
「大事ですね」
「だから出した」
缶詰や冷凍食品もというのだ。
「保存技術としてな」
「そうしてくれましたね」
「民にも必要だ」
軍だけでなくというのだ。
「保存食はな」
「いざという時に」
「だから早くからだ」
それこそ帝国という形ではなくメソポタミアでの都市国家であった頃からだ、義青はその頃からのことを話した。
「私は保存食を出してきたな」
「はい」
その頃から彼に仕えている者の中でも最古参のカニが応えた。
「塩漬けに干し肉に燻製にと」
「そうしたものを出してな」
「民にいざという時に食べる様に言われていました」
「その技術を広めてな」
「そうされていました」
「米やジャガイモを出すだけでなくだ」
生産性が高かったり痩せた土地でも育つ穀物や作物をだ。
「そうしたものも出してだ」
「民を餓えない様にされていました」
「そして軍の糧食にもしていたが」
「缶詰や冷凍食品をですね」
「今回も送ってな」
そうしてというのだ。
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