ハッピークローバー
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第百六十八話 最後日の開始その九
「お釈迦さんとかキリストさんだよ」
「神様仏様でないなら」
「そうだよ、それが絶対にわかるとかいう人は」
そうした者はというと。
「僕はそうは信じないよ」
「迂闊には」
「冗談抜きでインチキの可能性高いから」
その実はだ。
「特に宗教だとね」
「カルト教団ね」
「やたら予言を言って」
そうしてというのだ。
「人類は滅亡するとか」
「そう言って不安を煽るなら」
「もうね」
それこそというのだ。
「インチキだってね」
「思って」
「信じないよ」
「そういえばちゃんとした人は」
留奈は伊藤の言葉を聞いて頷いて言った。
「宗教団体でもね」
「不安煽らないね」
「どうすれば救われるか」
「それを言うよね」
「仏教だってそうだしね」
「不安を感じている人を救うものがね」
そうすることがというのだ。
「宗教だよね」
「本来はね」
「それでね」
「不安を煽るなら」
「もう本末転倒だし」
「信じたら駄目ね」
「運命に不安を感じているなら」
それならというのだ。
「行いを正しくする様にね」
「言うわね」
「確かな宗教はね」
「そうするもので」
「それでね」
そうであってというのだ。
「不安を煽って入信させて」
「そうしたところってお金取るのよね」
「それが目的だしね」
「インチキだから」
「最悪ね」
金銭が目的であるだけでなくというのだ。
「もっと利用してテロとかにもね」
「利用するのね」
「そうだよ」
まさにというのだ。
「そんな団体もあったし」
「今もあるわね」
「世界にはね、そんな風になりかねないから」
「不安を煽る様なら」
「運命についてもね」
「信じないのね」
「そうだよ、ちゃんとした宗教団体は」
伊東はまた言った。
「運命についてもね」
「不安にならない様に言うわね」
「わからないと不安になるよ」
「どうしてもね」
「けれどね」
「その不安を取り除く」
「そうした宗教だといいよ」
それならというのだ。
「僕は思うよ」
「不安を煽るんじゃなくて」
「取り除く、何かね」
伊東はこうも言った。
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