八条学園騒動記
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第七百九十七話 和歌を詠うその十
「作ってくれたものに美味しいって言わず」
「駄目出しばかりだったの」
「甘いだの辛いだのね」
「文句ばかりだったの」
「そんな人だから」
「ああ、それだとね」
彰子もその話を聞いて納得した。
「お料理なんてしないわね」
「他の家事もね。他のことでも偉そうにばかり言って」
「奥さんに愛想尽かされたの」
「奥さんに駄目出しばかりしていて」
「何から何まで」
「最後はね」
その末路はというのだ。
「奥さんに駄目出しされた」
「それで離婚ね」
「ニートで離婚されたら」
七美はそれからのことも話した。
「働くしかないでしょ」
「自分がね」
「けれどそれでもね」
「働かなかったの」
「何しても性根変わらなくて」
そうであってというのだ。
「感謝しないで駄目出しばかりで」
「しかも働かなくて」
「親にお金せびったりして生きていたけれど」
それでもというのだ。
「闇金にも手を出して」
「駄目過ぎるわね」
「そして遂にね」
「どうにもならなくなったのね」
「そうした人いたのよ」
「最低ね」
彰子が聞いてもだった。
「その人は」
「そう、それで今はね」
「どうしてるの?」
「誰からも駄目出しされて」
見放されてというのだ。
「行方不明らしいわ」
「野垂れ死にとか」
「連合だからね、見付けられてね」
「何かさせてもらってるの」
「多分闇金の借金あるから」
それでというのだ。
「その返済でね」
「働いているのね」
「無理にでもね。そうしてるのね」
「もう人生何ていうか」
「失敗でしょ」
「大失敗ね」
そう言うべきものだとだ、彰子も言った。
「もうね」
「そうでしょ」
「ええ」
それこそと答えた。
「私もそう思うわ」
「駄目出しばかりだとね」
「そうもなるのね」
「この人は極端でもね」
それでもというのだ。
「駄目出しばかりの人なんてね」
「何処をどうしたらいいか言わずに」
「結局は大した人じゃなくて」
「それでなのね」
「そう、本当にね」
それでというのだ。
「聞かなくていいわ」
「そうした人の言うことは」
「どうせね」
それこそというのだ。
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