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情熱的旅行

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第一章

                情熱的旅行
 恋愛がしたい、そう思ってだった。
 人気焼肉チェーン店のオーナー沢田晋太郎はとある南国の観光地に来ていた、長身ですらりとしていて日本人離れした彫のある顔立ちと縮れた黒髪を持ってる。
 彼はここに来る前にだ、友人に言っていた。
「独身で遊んでばかりだけれどな」
「終わらせたいか」
「ああ、それで恋愛を求めてな」
 それでというのだ。
「今度旅行に行って来る、南国のビーチにな」
「そうしてロマンスを知るんだな」
「もうな、俺はな」
 友人に苦笑いで話した。
「女の子っていうとな」
「風俗ばかりだな」
「ああ、女の子に興味を持ったら」
 その時はというのだ。
「仕事帰りでも休日でもな」
「風俗行くな」
「彼女いたことないんだよ」
「それでもうすぐ三十代か」
「それでそろそろな」
 友人と一緒に飲みつつ話した、バーでカクテルを飲んでいる。
「恋愛がどんなものか知りたいんだ」
「風俗じゃなくてか」
「そうだよ、それでな」
「これからか」
「恋愛してくるな、女の子を好きになるのがどんなものかな」
「学生時代もてなかったのか」
「大学出るまでこうだったんだよ」
 スマートフォンに学生時代の自分の画像を出して友人に見せた、そこには丸々と太ったださいファッションの青年がいた。
「大学出て就職してからジム通いにも目覚めて」
「毎日行く様になってるな」
「それでこうなったんだよ、もてたことはな」
「ないんだな」
「友達は多かったけれどな。女の子でも」
「お前性格いいからな」
「けれどな」 
 それでもというのだ。
「誰からも恋愛対象とは見られなくて」
「恋愛経験なしか」
「仕事してからはな。親の会社継ぐ為に」
「それで継いでもか」
「出会いがなくてな」
「風俗ばかりだな」
「はじめても風俗でな」
 それでというのだ。
「そうしたことはだよ」
「風俗ばかりか」
「好きだけれどそろそろな」
「恋愛を知りたいか」
「一時でもな、だから出会いを求めて」
「旅行行って来るか」
「ときめきって奴を知りたいんだよ」
 こう言ってだった。
 彼はその観光地に来た、だが。
 水着の美女や目立つ女性は多い、それでも彼女達を見てもときめきやロマンスは感じず彼はレストランでシーフードを中心とした料理を食べ。 
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