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時空一夢

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第二章

「大体ね」
「そうなのか」
「ええ、もうすぐ着くから」
「楽しみだ」
 宇宙人は流暢なドイツ語で述べた。
「ジャガイモを食べたい」
「どうしてそこでジャガイモなのかしら」
「ドイツだからだ」
 宇宙人はこう答えた。
「ソーセージにビールもだ」
「それじゃあザワークラフトも」
「勿論だ」
 一も二もないという返事だった。
「ギドニーパイも欲しい」
「わかったわ、デザートはケーキね」
「最高だ」
「こうした宇宙人がいるなんて」
 ここでヨハンナは確信して言った。
「これは夢ね」
「何を言う、現実だ」
「いや、夢よ」 
 その中にいることがわかった。
「もうね」
「そう言うのか」
「ええ、もうね」
 それこそというのだ。
「こんなドイツ料理を食べたい宇宙人がいるなんてね、ジャガイモなんて」
「尚ジャガイモは潰して食べる」
「余計にドイツじゃない、今度はこんな夢ね」
「一緒にジャガイモを食べよう」 
 宇宙人は宇宙船の中で言った、ここで目が覚めた。
 同僚にこの夢の話もした、そしてコーヒーを飲みつつ言った。
「未来にも行ったわ」
「宇宙ね」
「ええ、今度はね」
「夢は本当に何処でも行けるわね」
「そうよね、それで私今日本のアニメ観てるけれど」
 ヨハンナは同僚に話した。
「これが結構攻めてるのよ」
「どうした感じで?」
「水着出て下着も出て」
 そうしてというのだ。
「やたら触手が出て女の子に絡むのよ」
「日本人ってそうしたマニアックなの好きな人いるわね」
「男の娘とか同性愛とかね」
「普通の国だしね」
「それでエルフとか獣耳もあって」
 そうであってというのだ。
「そのアニメは触手多いのよ」
「それを観てるのね」
「中々いいわよ、英語通訳観てるわ」 
 字幕でとだ、こうしたことも話すのだった。
 そしてその夜ヨハンナが見た夢は。
「白いレオタード着てなの」
「何故かね」
 また職場で同僚に話した。
「お城にいたら急に何処からかね」
「お城ね」
「無数の触手が出て来て」
 そうしてというのだ。 
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