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おぢばにおかえり

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第八十五話 奈良市その二

 ですがすぐに新一君が前に言ったことを思い出して言いました。
「そういえば関東大震災の後で」
「被災して暫く奈良県に住んでたんです」
「そうだったわね」
「それでその時のお家もあります」
「そうなのね」
「それに商店街もいいんですよ」
 奈良市はというのです。
「お洒落な街でもあるんですよ」
「歴史があるだけじゃないのね」
「そこに行きまして」
 これからというのです。
「色々見て回りましょう」
「それじゃあね」
「はい、ただ車何処に停めます?」
 新一君がこのことも聞いてきました。
「それで」
「もうそれは知り合いの人の大教会がね」
「停めさせてくれるんですか」
「大学でちょっとこのことお話したら」
 そうするとでした。
「喜んでね」
「停めていいって言ってくれたんですか」
「ええ、ただね」 
 新一君をじっと見て彼自身に言いました。
「その子、新一君ね」
「僕がですか」
「宜しくねって言われたわ」
「あっ、そうですか」
「その子新一君と会ったことないと思うけれど」 
 それでです。
「そう言ってね」
「僕と先輩が一緒にいてもいいって言ってくれたんですね」
「それどころか新一君のことよくしてあげてって」
「嬉しいですね」
「案内してもらうのは私なのに」
 それでもです。 
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