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世界の礎

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第十四話 起きた世界でその十一

「実にだ」
「美味しいですか」
「水の様に飲める」 
 そこまでというのだ。
「実にいいな」
「そう言われますね」
「チーズとも合う」
 今度はカマンベールチーズを口にして言った。
「いいものだ、ただチーズはな」
「あなたはカマンベールがお好きですね」
「普通のチーズとな」
「それでよくお酒と一緒に楽しまれますね」
「そうだが」 
 それでもとだ、義青は妻に話した。
「匂いが強いとな」
「ブルーチーズやウォッシュチーズですね」
「特にウォッシュチーズはな」
「苦手ですね」
「食べられるが」
 それでもというのだ。
「自分からはな」
「召し上がられないですね」
「匂いが強過ぎてな」 
 まさにその為にというのだ。
「私はな」
「チーズがお好きでもですね」
「あまりにも匂いが強いとな」
「苦手で」
「今食べているカマンベールチーズかだ」
 若しくはというのだ。
「ごく普通のな」
「そうしたチーズですね」
「そうだ、そしてだ」
「今もヵマンベールチーズ以外にも」
「普通のチーズもな」
「ありまして」
「楽しんでいる」
 口にしてというのだ。
「こうしてな」
「左様ですね」
「シンプルだがな」
「ワインのおつまみにすることは」
「だがそれがだ」
「美味しいですね」
「赤ワインにも合いな」
「白ワインにも合いますね」
「モーゼルは白だが」
 こちらのワインだがというのだ。
「こちらにもだ」
「合いますね」
「かなりな、今夜は飲もう」
「昨晩は飲まれませんでしたね」
「いつも飲むとな」
「お身体に悪いですね」
「だからだ」
 そうであるからだというのだ。
「毎日はな」
「飲まれないですね」
「そうしている」
「飲まれるのは週に一回程ですね」
「そうだな、本当に毎日だとな」
 そこまで飲むと、というのだ。
「身体に悪い、酒は毒にもなる」
「量が過ぎますと」
「適量なら薬だが」
「過ぎると毒になるので」
「控えている」
「左様ですね、そして煙草は」
「吸わない」
 絶対にという言葉だった。
「あれは絶対にだ」
「左様ですね」
「好きでないからな」
「だからですね」
「吸わない様にしている」
「それは一族の他の方も」
「殆どの人が吸わないな」
 八条家のとだ、義青は妻に話した。
 
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