| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

新オズのブリキの樵

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六幕その七

「中身がないから」
「外にはそうした本もあるね」 
 オズの国きっての読書家の教授も言いました。
「残念なことに」
「そうよね」
「そう、やたらと難しい単語や文章が延々と続くけれど」
「その実はね」
「何ページも書いていることが一言で済む様な」
 そうしたというのです。
「中身のないものがあるよ」
「何ページ読んでもなのね」
「そう、結局はね」
「一言で済むのね」
「そんな本はね」
「読まなくていいわね」
「まして子供の夢を壊すと得意になっている様なら」
 そうした本はといいますと。
「そう書いてある時点でね」
「読む価値はないわね」
「子供の夢はとても強く奇麗で素晴らしいものだよ」
 教授も言うことでした。
「ダイアモンドよりもそうである」
「そんなものだから」
「だからね」 
 それでというのです。
「簡単にはだよ」
「壊せないわね」
「だからエジソンさんは多くの発明が出来たしね」
「子供の頃は夢だった様なものが」
「読む価値なんて全くないよ」
 教授は断言しました。
「勿論オズの国にはそんな本は一冊もないしね」
「大体そんな本の根拠の技術や知識は正しいのかな」 
 モジャボロはふと思いました。
「一体」
「どうもこれがね」 
 ドロシーはモジャボロに少し曇ったお顔で答えました、そうしてそのうえでこんなことも言ったのでした。
「出鱈目らしいのよ」
「そうなんだ」
「その人が絶対としている現代の知識や技術はね」
「科学のそれはだね」
「その漫画の設定を勝手に改変したりもして」
「ああ、自分に都合のいい様に」
「それでその知識とかが出鱈目で」
 そうであってというのです。
「酷いらしいわ」
「何だ。じゃあ読む価値はないね」
 モジャボロもはっきりと言いました。
「その人自体も下らない人だね」
「そうよね」
「そんな本を出して楽しいのかな」
「読んでも面白くないし」
「この世で一番つまらなくて価値のない本の一つだね」
 モジャボロも断言しました。
「書いた人と同じで」
「全く以てそうよね」
「現代の科学の知識や技術を絶対として」
「それが間違えてたり設定を改変して言うのなら」
「もう読んでも何の価値もない」
「子供の夢なんて何があっても壊せなくて」
「無駄でしかないね」
 そうしたというのです。
「下らない本だよ」
「本当にね」
「そのお二人の漫画家さんの道具なんてね」 
 つぎはぎ娘は心から思いました。
「魔法使いさんに沢山の素晴らしい道具のヒントになってるんだから」
「凄いことよね」
「そうよ、その人の漫画だってね」
 ビリーナにお話しました。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧