犬猿の仲にはならない
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第二章
「大丈夫みたいだな」
「そうだな」
「どうやらね」
「ふわりはいい娘でな」
「あの娘もいい娘で」
「お互いにそうだから大丈夫ね」
「言った通りだろ、うちの花子も凄くいい娘なんだ」
親戚は腕を組み確かな声で言ってきた。
「誰とも仲よくなれるんだ」
「うちのふわりと一緒か」
「本当に犬猿の仲なんてあるのか知らないけれどな」
それでもというのだ。
「それぞれ性格があってな」
「お互いいい娘だとか」
「どうだよ」
「仲よくなれるな」
洋介はそれならと答えた。
「もうな」
「そうだろ、だからな」
「心配はいらなかったんだな」
「ああ、いい子同士ならな」
「犬と猿でもか」
「問題ないさ」
「そういうことだな、いい勉強になったよ」
洋介はこの言葉を心の底から話した。
「本当にな」
「そうだろ、だったらな」
「これからもか」
「うちに来る時はな」
「ふわりも連れて来てか」
「そしてな」
そのうえでというのだ。
「仲よくな」
「遊んでもらうか」
「そうしような」
「もうすっかり仲よくなっているしな」
「友達同士になったし」
見ればそうした感じで一緒に遊んでいる。
「それならな」
「仲よくだな」
「遊んでもらおうな」
「そうするよ」
洋介が応え彼の両親も頷いた、そうしてだった。
一家はこの親戚の家に行く時は必ずふわりも連れて行った、そして花子を遊ばせるが二匹は会う度に仲よくなり今もそうである。
犬猿の仲にはならない 完
2025・4・22
ページ上へ戻る