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盗作と思われない様に

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第一章

               盗作と思われない様に
 論文を書いていてだ、古谷雷蔵大学院で研究員をしている彼は参考文献を綿密に読んでいた。すっきりとした顎で細面で切れ長の目に細い眉を持っていて眼鏡をかけている。長身痩躯で黒髪をショートにしている。
 その彼にだ、大学生の草田茉祐は尋ねた。一五八位の背で黒髪をロングにしていて細面で大きな奇麗な目とすらりとした色白で均整の取れたスタイルを見せている。
「随分研究されていますね」
「はい、論文を書きますので」
「だからですね、そういえば」  
 草田は学んでいる古谷に話した。
「この前教育学部で話題になっていましたね」
「論文のことで」
「うちの大学じゃないですが」 
 それでもというのだ。
「何かです」
「盗作の件ですね」
「論文か何かで」
「論文です」
 古谷はまさにと話した。
「私もそのお話は聞いていますが」
「論文の盗作ですか」
「教授が学生さんの論文をです」
「盗作して」
「文章もそのままで」
「丸写しだったんですね」
「そうして論文を作成しまして」
 そうしてというのだ。
「発表したのですが」
「盗作であることがですね」
「内部告発でわかりました」
「それで教授さんはクビですね」
「懲戒免職になりました、そうしたことはです」
 古谷は文献を読みつつ話した。
「絶対にです」
「あってはいけないですね」
「ですから私もです」
 古谷自身もというのだ。 
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