謎の情報源
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第一章
謎の情報源
その噂を聞いてだ、高校生の時任美優大きな胸が目立ち一七〇の長身に黒髪をロングにした穏やかな顔立ちの彼女はその話をした交際相手のクラスメイトでもある篠田駿自分と同じ位の背で黒髪を短くした藪にらみの感じの目で中肉の彼に問うた。二人共今は休日のデート中でラフな私服姿だ。
「それ何処ソース?」
「それがわからないんだよ」
駿は美優にこう返した、二人共スラックス姿で街を歩いている。
「ネットでも何でも」
「わからないの」
「少なくとも僕は知らないよ」
こう美優に話す。
「本当に急にだよ」
「出て来たの」
「こうした話あるあるだろ」
「うん、そうよね」
「踏切に出るなんて」
駿は美優に話した。
「よくあるよね」
「そうよね」
「真夜中の十二時に踏切の音が鳴って」
電車が来た時に鳴るそれがというのだ。
「そしてその中に女の人が立っている」
「十二時だと電車も通らないけれど」
「当然踏切も鳴らなくて」
「そうなのにね」
それがというのだ。
「そうなるなんて」
「しかもその女の人は」
「幽霊だね」
「あれね、その踏切で亡くなった」
「自殺か事故で」
「そんな人ね」
「そうだね、しかし」
それでもとだ、駿は美優に話した。
「何処から出たお話か」
「わからないのね」
「ネットでも本でも雑誌でもね」
「そうなのね」
「そう、本当に」
実際にというのだ。
「わからないんだよ」
「心霊話あるあるね」
「本当に何処から出たのか」
それがというのだ。
「一切わからない」
「そんなお話よね」
「僕もそのお話を聞いたけれど」
それでもというのだ。
「誰が言い出したか」
「わからないのね」
「それでもっと言えば」
街を二人で歩く中で話した。
「実際にその踏切でそんなお話があるか」
「それもわからないのね」
「そうなんだよね」
「じゃあ確かめる?」
美優は駿にそれならと提案した。
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