八条学園騒動記
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第七百九十五話 和歌その四
「日本語見るとうわ、となるけれど」
「マリ語はですか」
「物凄く学びやすい」
「楽な言語ですか」
「そうよ、連合は銀河語は全ての国で公用語で」
「それぞれの国の言語も同時にですね」
「それぞれの国の公用語になっているけれど」
その為連合は誰もが複数の言語を操ることが出来るのだ。
「日本語はね」
「難し過ぎますね」
「そうよ」
まさにというのだ。
「悪魔の言語よ」
「そこまでなんですね」
「それでもね」
「今回はその日本語で、ですね」
「筆と墨、短冊を使ってね」
そうしてというのだ。
「本格的にね」
「詠うんですね」
「学園の中でね」
「学園の中といいますと」
七美はそう聞いて言った。
「中庭とかお池の傍で」
「そう、自然を観ながらね」
「その自然を詠うんですね」
「そうするのよ」
「まさに和歌ですね」
「あと恋愛もね」
和歌の極めて重要な要素であるこちらもというのだ。
「詠っていいから」
「そうなんですね」
「そこはその人それぞれで」
「何を詠ってもいいですか」
「ええ、あと川柳になっても」
それでもというのだ。
「いいみたいよ」
「そうですか」
「和歌部の人達が言うにはね」
「川柳になってもいいですか」
「川柳は世の中を詠うけれど」
「こちらも日本ですね」
「それもいいってね」
その様にというのだ。
「言われたわ」
「川柳もですね」
「ええ、それと和歌って公家の人達だけじゃなくてね」
平安時代の彼等に限らずというのだ。
「日本じゃ皆詠んでいたのよね」
「武士の人達もそうでしたし」
七美はそれでと答えた。
「二次大戦までの軍人さん達も」
「詠んでたのよね」
「はい」
そうだったとだ、七美は部長に答えた。
「漢詩もですか」
「和歌も詠んでいたわね」
「庶民の人達も」
「万葉集でもあるのよね」
「はい、あります」
民衆が詠った和歌もというのだ。
「そうした人達の歌もありまして」
「和歌詠われているわね」
「勅撰和歌集もです」
「あるわね」
「ずっとなかったですが」
長い間新古今和歌集が最後の勅撰和歌集であった、鎌倉時代初期に後鳥羽上皇が命じられて編纂された。
「それがです」
「今はね」
「はい」
まさにというのだ。
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