八条学園騒動記
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第七百九十四話 本物の悪党その三
「それこそ連合を乗っ取って帝国にして」
「皇帝になっても」
「それってカエサルだけれど」
ユリウス=カエサルローマの英雄である。
「カエサルも大物だけれど」
「だから皇帝になっても様になるわね」
「大物で」
尚実際には皇帝になっておらず終身独裁官になったところで暗殺されている、この話も有名である。
「堂々としていてね」
「信念もあるわね」
「野心もね、けれどね」
「小悪党だとね」
ジュディはつまらなさそうに話した。
「もうね」
「連合を乗っ取って皇帝になっても」
「私利私欲に走って」
「蓄財とかばかりで」
「悪事も小さくて醜くて」
そうしたものばかりでというのだ。
「周りも小悪党しかいなくて」
「イエスマンで私利私欲しか頭にない」
「そんなのばかりで」
それでというのだ。
「本当にね」
「すぐにやっつけられるわね」
「それでやっつけられる時も」
その時もというのだ。
「必死によ」
「命乞いをして」
「自分だけ助かろうとする」
「主君も裏切る」
「危うくなったら」
「そうに決まってるのよね」
アロアはそうした輩共に対してこれ以上はないまでに軽蔑を感じそれを言葉にも表情にも込めて言った。
「もうね」
「そうなのよね」
「小悪党ってね」
「忠誠心もなくて」
「愛情もないのよね」
「自分だけでね」
「大事なのはね」
ジュディとジュリアも言った。
「人を騙して陥れて」
「酷いことを嗤って行って」
「お金と権力あったら偉そうにするけれど」
「けれどね」
「いざとなったら」
「そうするのよね」
「そうよ、本当に忠誠心はないのよ」
アロアは今度はこのことを指摘した。
「独裁者なり暴君にね」
「ただ利益があるから傍にいる」
「それだけなのよね」
「私利私欲を貪る」
「それだけなのよね」
「そうなのよ、お金と権力が欲しいだけで」
そうであってというのだ。
「忠誠心とかないのよ」
「勿論愛情や友情もない」
「本当に自分だけで」
「それでね」
「忠誠心もないわね」
「だから危ういと見たら」
仕える独裁者や暴君がだ。
「即刻よ」
「裏切ってね」
「寝返るのよね」
「それで真っ先に攻める」
「独裁者や暴君をね」
二人もそうだと言った。
「それで自分だけ助かる」
「そうしようとするのよね」
「いや、小悪党ってね」
ジュディもまた軽蔑を込めて言った。
「相場が決まってるわね」
「やってることが馬鹿で小さいのよね」
ジュリアも言った。
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