星河の覇皇
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第八十八部第三章 最後の防衛ラインその二十二
「一切ね」
「徐々にでいいですね」
「そうよ、焦ることなくね」
「総統閣下が言われる様に」
「中継基地を築いていって」
「そうしてその基地を伝っていき」
「暗黒宙域を踏破するわ」
その様にするというのだ。
「本当にね」
「一気に進まず」
「徐々に進むわ」
「大航海時代とは違いますね」
「あの時は喜望峰を回り」
アフリカの南端をだ。
「また大西洋もね」
「踏破していましたが」
「途中補給というものはなかったわ」
「アフリカも未知の大陸であり」
その探検が進むのは十九世紀になってからだ、イギリスが主に行いそれが冒険小説の題材にもなった。
「何があるかわからずね」
「岸辺に着いても」
「簡単に補給は行えずね」
「インド洋に出ることに苦労しました」
「補給を行えても遠かったわ」
喜望峰を回ることはだ。
「それだけで大航海であり」
「途中嵐や渦潮に遭遇し」
「多くの船が沈んだわ」
当然その中にいる船員も物資もだ。
「未知の大海原に出て」
「多くの犠牲を払っていました」
「けれど今回は違うわ」
「左様ですね」
「既に偵察艇を暗黒宙域の先まで送っているわ」
「暗黒宙域の内情も調べています」
「もう調査済よ」
それは住んでいるというのだ。
「だからね」
「踏破もですね」
「楽よ、何処に何があるかわかり」
「距離もわかっていれば」
「それならね」
まさにというのだ。
「危険はかなり減るわ」
「ですから後は」
「徐々にね」
「中継基地を築いていき」
「踏破を目指すわ」
「左様ですね」
「参謀本部としては」
参謀総長即ち参謀本部の者として話した。
「このままね」
「計画も立案し」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「進んでいくわ」
「そうしますね」
「焦らずにね」
そうしてというのだ。
「いいわね」
「それでは」
「ただ。一つ問題があるわ」
プロコフィエフは難しい顔でこうも言った。
「新天地への進出はいいわ」
「その先に移住し」
「そして資源も手に入れる」
「そうしてエウロパ全体が豊かになりますね」
「そうなりますね」
「そのことはいいけれど」
それでもというのだ。
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