| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

三日もてばいい

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第四章

「ブルボン朝からの付き合いだ」
「七年戦争からのな」
「ソ連とも結構親しくやっていた」
 西側ではあったがだ。
「そして今のロシアともな」
「戦争がはじまるまではな」
「だからな」
「ロシアにはか」
「相当なことがないとな」
「あまり援助はしないか」
「しかも」
 ルブランは口の右端を歪めさせてシニカルに笑って述べた。
「我が国は口は出すが」
「金は出さない」
 マルセーヌは口を開けて笑って話した。
「そう言われているな」
「実際にそうだな」
「伝統だな」
「そこは日本とは違う」
「あの国は我が国と逆だな」
「金は出すが口は出さない」
「出すとしたら相当なことだ」
 日本はというのだ。
「まさにな」
「そうだな」
「それでだ」 
「ウクライナにはか」
「相当なことがないとな」
「強く助けないか」
「その筈だ、だが本当にまさかだ」
 まさにというのだ。
「一ヶ月もった、そしてだ」
「各国が援助と制裁をはじめた」
「ウクライナはまだ戦える様になった」
 一ヶ月どころかとだ。
「そうなる、ここからどうなるか」
「援助が届けば」
「ああ、そしてロシア軍も消耗していく」
「戦争はまだ続くか」
「その可能性が出て来た」
 ルブランは言った、そしてだった。
 二ヶ月三ヶ月と続き。半年となったが。
「よく戦っているな、ウクライナは」
「ああ、調べたところだ」
 ルブランはマルセーヌに取材先でウクライナの話をはじめた、その中でこう二人で話したのだった。
「ロシア軍は言われていた通りだ」
「攻めるのが下手だったか」
「ウクライナを侮り」
 そうであってというのだ。
「計画も杜撰でな」
「そのうえで攻めてか」
「そしてだ」
 そうであってというのだ。
「攻めた、ただ攻め込めば」 
「勝てるとか」
「思っていたらしい」
「何だ、それならだ」
 マルセーヌはルブランのその話を聞いて言った。
「フィンランドの時と同じか」
「冬戦争だな」
「あの時とな」
「そうだ、攻める国は違うが」
 それでもというのだ。
「相手を侮りな」
「ただ数で攻めれば勝てるか」
「そう思い込んでな」
「杜撰な計画で攻めてか」
「しくじったみたいだ」
 最初の侵攻をというのだ。
「何しろ制空権を握っていない」
「君はまず握ると言っていたな」
「現代の戦争の基本だ」  
 まさにというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧