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ドラゴンボールZ~孫悟空の娘~

作者:setuna
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サイヤ人の王子

 
前書き
ダイマの超サイヤ人4見ました?
うん、良いなと思いつつもGTバージョンが見慣れてるせいで違和感が凄かったです個人的に。

GTの超4の衣装変化にツッコミたい人はいるでしょうが多分あれは変化しているように見せているだけで変わっていないのでしょう。

GTの2人のノーマル状態の服装のままで超4化しても微妙な感じがするし、悟空ゼノ達は超4前提のデザインだから破けるだけで済んでる。

でもダイマもダイマで変身する度にいちいち上を脱ぐのだろうか(純粋な疑問)? 

 
ブウとの闘いの後、悟林が生き返ったことで孫家は本来の明るさを取り戻していた。

セルゲーム後に悟天が生まれたことで孫家は賑やかになったが、やはり悟林がいないことへの違和感を拭えなかった。

悟林はどこで寝ようかと考えていたが、自室は7年前のままだ。

そう言えば自分が使っていた食器もあったことを思い出したので聞いてみた。

「そう言えば私の食器もそうだけど部屋ってそのままにしてたんだね。てっきり物置きになってると思ってたんだけど」

「当たり前だべ、簡単に捨てられるわけねえし。悟林の部屋を無くしたくなかっただよ」

悟林の部屋は当時の悟飯の部屋と比べても生活感が薄い。

勉強道具などの必要最低限な物しかない。

部屋を維持するよりも物置きとして使った方が遥かに有効活用できるはずだ。

悟林自身、勉強や就寝以外で部屋を使うことは修行にのめり出して以降は少なかった。

しかし、どうしても娘の部屋を物置きにしたり、捨てたりするのは出来なかった。

娘が生きていた証拠として残しておきたかったので部屋も生前のように維持していたし、少ない私物も捨てずに残しておいた。

「そう、ありがと」

正直部屋に対する愛着はあまりないが、それでも残してくれたことに感謝した。

食事を終えると食器を片付け、悟林はとある人物の元に向かう。

「悟林、どこに行くだ?」

「ベジータさんのとこ…そろそろ負けっぱなしはごめんだからね」

家を後にして悟林はベジータの元に向かった。

生き返ってから悟林は現世とあの世の違いに慣れるために何度も超サイヤ人に変身しながらの修行を行い、生きている状態での超サイヤ人3のエネルギー消耗がどれくらいの物かを再確認をしたりと念入りに調べた。

そして確認を終え、ベジータの気を辿るとそこは悟林が初めてベジータと出会った場所であり、修行後の食事なのかベジータはトランクスと共に焼かれた恐竜の肉を齧っていた。

「やあ、ベジータさんにトランクス君」

「あ、悟林さん」

「お前か」

「トランクス君、ベジータさんと修行かな?」

「うん!俺もっと強くなりたいんだ!悟天にもちゃんと修行しとけよって伝えといてよ悟林さん!」

「うん、伝えておくよ。頑張ってるようで嬉しいよトランクス君。ブウとの闘いではちょっと油断しちゃったようだけど2人の闘いを見てた…格好良かったよ」

「へへ、そう?(もっと格好良く思われるように頑張ろ)」

憧れの人からの言葉に単純なトランクスは更にやる気になった。

「ねえ、ベジータさん。私と勝負しない?」

「ほう、俺と闘うつもりか?」

「当たり前でしょ?1回目も2回目も負けて3回目はブウのせいで中断されたから私はベジータさんに負けっぱなしなんだよ。勝ち逃げなんてさせないからね」

どうやら中断も敗北扱いしているようで負けっぱなしで終わるのは悟林としては気に入らないようだ。

「ふん、良いだろう。修行の成果を試す丁度良い機会だ」

「派手になるからトランクス君は少し離れてるんだよ」

「う、うん!」

急いで離れるトランクスを確認し、悟林とベジータは一定の距離を取って構えた。

「始めるぞ」

「何時でも良いよ」

通常状態でありながら高まっていく気によって風が吹き荒れ、高いところの石が転がって地面に落ちた。

それが合図となって2人は拳を構えて突撃した。

「「はああああああっ!!」」

拳と拳が激突したことで周囲が吹き飛んだが、2人は気にせずに拳と蹴りを放って打ち合い、衝撃波を撒き散らして大地を削っていく。

「どうした悟林!お前の力はそんな程度か!?」

「安心しなよ!軽い準備運動だから!ベジータさんこそ、その程度かな!?」

「ふん、こっちも軽い準備運動だ!!」

「それは良かった!」

悟林の拳がベジータの頬に叩き込まれたが、次の瞬間悟林の腹にベジータの蹴りが入る。

攻撃を入れられた場所が熱を持つがそれが心地好い。

どんどん戦闘欲を高めていく2人。

最後に蹴りを放って激突させると衝撃を利用して距離を取る。

「さーて、ここからが本番!!」

「ふん、望むところだ!!」

2人は気合を入れて超サイヤ人に変身し、更に気を上げて超化の段階を上げていく。

「かあっ!!!!」

超サイヤ人のオーラが激しくなってスパークを走らせる。

ベジータは超サイヤ人2に変身し、悟林は超サイヤ人2よりも更に気を上げていく。

「ぐっ!!ぐぐぐ…っ!!うおあああああっ!!!」

険しい表情で気を上げて逆立った髪が伸びていき、超サイヤ人のオーラもスパークもより激しくなっていく。

そして変身を完了させると超サイヤ人3の状態となる。

「ようやく見られたぜ、お前の超サイヤ人3を。だが、ブウと闘った時のパワーはどうした?まさか手を抜くつもりじゃないだろうな?」

「全力だよ。私が自分の努力で手に入れた力。あの力は他人に引き出してもらったから馴染むまで時間がかかるんだよね。不安定な力でやるのも違うから超サイヤ人3で行かせてもらうよ」

「チッ、舐めやがって。後悔するなよ!!」

2人が距離を詰めて互いの拳を激突させるとベジータは拳に走る痛みと痺れを無視しながら悟林を鋭く見据えた。

「この勝負は…私の努力で手に入れた力で勝たなきゃ意味がないんだ!!負けっぱなしで終わりなんてそんなの認めないんだからね!!!」

即座に距離を取ると、とてつもない気を凝縮した気弾を連射する悟林。

ベジータはそれを横に移動してかわすと気弾は大爆発を起こし、本来なら牽制かダメージ稼ぎの気弾連射でこの威力なのだから最初から全力で自分を倒しに来ているのが分かってベジータは久しぶりのサイヤ人の本能に身を任せて闘えることに笑みを浮かべた。

「認めないか…それはこっちの台詞だ。サイヤ人の王子であるこの俺が下級戦士一族に戦闘力で負けるなど許されることじゃない!!」

「だったらベジータさんも限界を超えて力出してみなよ!私はベジータさんの限界を超えた力も全て全力でぶっ飛ばす!!」

「やれる物ならやってみやがれ!!」

「勿論!魔閃光ーーーっ!!」

全力の魔閃光を放ち、ベジータにはかわされるが前方の岩を跡形もなく消し飛ばした。

そのまま距離を詰めて強烈な蹴りでベジータの顎を蹴り上げ、胸倉を掴むと頭突きを額に叩き込むとそのままラッシュを繰り出してベジータを滅多打ちにする。

「ぐっ!!がっ!!(な、何て速く重い攻撃だ…!これが超サイヤ人3のパワーか…!)」

超サイヤ人2とは比べ物にならない威力だ。

気を高めて肉体の強度を上げていなければ耐えることすら出来ないだろう。

「あの時、初めて会った時の闘い。人造人間との闘いに備えていた時の手合わせ。あの時の敗北は忘れちゃいない!!」

回し蹴りを放ってベジータを吹き飛ばすと追撃の気功波を放ち、それをベジータはギリギリがかわしながら片手を伸ばす。

「ビッグバンアターック!!!」

反撃の渾身の気弾を放ち、攻撃直後の隙を突かれたこともあってまともに喰らってしまう。

「っ…今のはちょっと痛かったかなぁ…?」

不意を突かれたこともあってダメージを受けてしまった悟林にベジータはニヤリと笑みを浮かべる。

ダメージが通ると言うことは絶望的な力の差ではないようだ。

「…お前の力はこの程度か?来いよ」

手をクイクイと動かして挑発するベジータに悟林は笑みを浮かべて突撃し、ベジータも気を高めて悟林に突撃した。

互いに拳と蹴りを放っていくが、ベジータの方がダメージが蓄積していく。

「(チッ、強くなりやがって…だが、これがガキって奴なんだろうがな)」

トランクスも自分が気付かぬうちに超サイヤ人になれるようになっていた。

次世代の成長が楽しみになってきている自分に気付いてベジータはセルゲームでの悟空の気持ちが何となく理解出来た。

攻防の流れは悟林に最初は傾いていたが、次第にだが攻撃のキレが悪くなってきていることに気付いたベジータ。

「相変わらずタフだね…!」

「(こいつがこの短時間で息切れを起こすと言うことは超サイヤ人3は変身を維持するのに相当エネルギーを消耗するらしいな…)」

勝機が見えてきたベジータは防御に徹底して悟林のエネルギー消耗を狙い、超サイヤ人3の欠点を見破られたことに気付いた悟林は変身段階を1段階落とす。

「ふう…」

「どうした?もう超サイヤ人3はおしまいか…?」

「流石に気が保たないからね…でも今のベジータさんならこれで充分かな…」

「ほざけ!!」

ダメージは確かにベジータの方が大きいが気と体力の消耗は悟林の方が大きい。

「ぐっ!!」

ベジータの拳を両腕を交差させて受け止める。

険しい表情を見せた悟林にベジータは相当なダメージを受けているのを感じさせない動きで猛攻を仕掛ける。

悟林はそれを捌きながら距離を取り、必殺の一撃を放つ。

「魔貫光殺砲ーーーっ!!」

貫通力に特化した気功波を放ったがベジータはそれをギリギリでかわしながら殴りかかってくる。

「だあっ!!」

「チッ!!」

ベジータの拳を受け止めて殴り返すと悟林の拳も受け止められ、2人は高速移動をしながらの乱打戦に持ち込む。

互いの拳と蹴りが激突する度に衝撃波が発生して周囲を吹き飛ばしていく。

「「はああああああっ!!」」

距離を取った2人がオーラを纏いながら同時に拳を振るったが、リーチの差もあって悟林の拳は届かずベジータの拳が悟林の頬にめり込んだ。

「ぐう…っ!こんのーーーっ!!」

気を放出してベジータを吹き飛ばし、大量の気円斬を作り出して投擲する。

当たれば確実にベジータを真っ二つにする攻撃を容赦なくする悟林にベジータは笑みを浮かべながら気円斬の面の部分を攻撃し、破壊していく。

「やるねえっ!!本命はこっちだけど!!波ーーーっ!!」

ベジータの真上を取っていた悟林が特大の超かめはめ波を撃ってきた。

「ちぃっ!!」

ベジータは気功波の範囲外へ離脱しようとするが、悟林は両腕を動かして気功波を動かす。

次第に追い詰められるベジータは一か八かと両手を構えて気を高めた。

両手に収束した気が臨界点に到達し、稲妻を迸らせているがこの角度では駄目だ。

ギリギリまで逃げ回り、気功波が斜めを向いた瞬間に両手に収束させていた気を当てて悟林へと滑っていくように距離を詰め、完全に予想外な動きだったためか驚愕で硬直しているところにベジータは逆さまの状態で至近距離の最大の必殺技を叩き込む。

「ファイナルフラーッシュッ!!!!」

「うわあああああっ!!」

至近距離でベジータの最大威力の気功波を喰らった悟林は地面に激突し、激痛を耐えながら起き上がろうとした瞬間、これで終わるわけがないと思って距離を詰めたベジータの鉄拳を喰らって変身が解けた。

このまま闘いを続行してもダメージが酷すぎて勝てないだろうと判断し、悔しそうに口を開いた。

「参りました…」

「ふん」

ベジータもかなりギリギリだったようで悟林の横に座り込んだ。

「くそおっ!また負けたー!」

「当然だ」

超サイヤ人3の消耗のおかげで勝機を掴み取れたが、同時にベジータのタフさと格上にも通用する必殺技の威力あっての勝利だ。

「はあ…修行しないとなぁ」

潜在能力の解放の力にも慣れておかないといけないし問題は山積みだ。

「悟林、お前は何のために強さを求める?」

「え?」

「俺はお前達父子に負けないために…お前はどうなんだ?」

悟空ならどう答えるか何となく想像も理解も出来るが、悟林はどうなのだろうか。

「私が強さを求める理由…私はね、物心ついた時からたくさんの壁があったよ。お父さんやピッコロさんから始まって伯父さんや筋肉達磨、ベジータさんとかフリーザ、セル。そして魔人ブウ…あの世で会ったたくさんの達人の人達!!凄いよね、どんなに強くなって頂点を極めたと思っても強い奴らがどんどん出てくる。そんな相手に自分の力と技術がどれだけ通用するのか試してみたくならない?私は自分の可能性を試してみたいんだ。だからどんな敵が来たって負けないようにしたいんだ!!ベジータさんもそうでしょ?ね?」

実年齢は悟飯と同じはずなのに死ぬ前とまるで変わらない悟林の姿は今のベジータには少し眩しく感じる。

「ふ…っ…お前は死んでも変わらんな」

ベジータは若者特有の眩しさに無意識に微笑み、その微笑みが未来トランクスと被った。

「当たり前だよ(トランクスさんにそっくり…そうだよね、ベジータさん…トランクスさんのお父さんなんだもん)」

悟林にとって“頼れるお兄さん”であった未来トランクスの面影を見た悟林はこれからの闘いに胸を膨らませた。

「よーし、お父さんじゃないけど…ワクワクしてきたぞーーーっ!!」

悟林の叫びが響き渡り、トランクスが興奮した表情で2人に駆け寄ってきた。

因みに2人はチチとブルマにしっかりと怒られ、悟空はウズウズしていた。

「なあ、悟林!久しぶりに向こうで思いっきりやろうぜ!」

「いいねえ!」

「少しは大人しくするだーーーっ!!!!」

休むことを知らない修行馬鹿2人にチチの怒声が炸裂するのであった。

しかし、戦闘欲求に忠実な2人は逃げ出して地球の地形を大きく変えてしまうのである。 
 

 
後書き
ベジータの超サイヤ人3なんですが、ウルトラ超ベジータじゃないのかぁ…残念。 
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