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ハッピークローバー

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第百六十三話 魔法その五

「猿飛佐助なんか」
「お空飛ぶのよね」
「仙人さんがお師匠さんだしね」
「そのままなのね」
「そうだったしね、けれどね」
 そうした小説はあるがというのだ。
「実際はね」
「無理よね」
「忍者は忍者だよ」
「うちの学校の忍者部の子達もだしね」
「使うのは忍術でね」
「妖術じゃないわね」
「忍術はまた別だよ」 
 そうだというのだ。
「魔術の系じゃないよ」
「そうなのよね」
「身体や道具を使って」
 そうしてというのだ。
「走ったり隠れたりするから」
「また違うわね」
「別に格闘技でもないしね」
「そこも誤解されるのよね」
「外国でね」
「けれど実際は違って」
「格闘技でもないし」
 そうであってというのだ。
「魔術でもないよ」
「そうよね」
「その忍者の人達も」 
 誤解されていた彼等もというのだ。
「別に魔女狩りとかはね」
「受けていないわね」
「信長さんは伊賀を攻めたけれど」
 歴史に名高い伊賀攻めである。
「あの人実際は無駄な血を流さない人だったし」
「実は穏健派だったしね」
「確かに伊賀攻めはかなり激しい戦いだったけれど」
 それでもというのだ。
「忍者だから殺すとか」
「しなかったわね」
「どうしても従わないから」
「攻めるだけで」
「実際滝川一益さん忍者だったし」
 織田家の重臣で四天王の一人にさえ数えられた、四天王の他の三人は柴田勝家、丹羽長秀、明智光秀である。
「別にね」
「忍者だからどうかはないわね」
「果心居士さんと会ったとかいうお話もあったのかな」
「同じ時代よね」
「その辺りはわからないけれど」 
 それでもというのだ。
「妖術を使ってもね」
「それだけで何もしなかったわね」
「インチキだと処罰したけれど」
 まやかしを行う僧侶を処罰した記録はある。
「それでもそんなことではね」
「処罰しなかったわね」
「朝廷に陰陽道があっても」
「手をつけたってお話ないわね」
「そうみたいだしね」
「魔術とか否定する人じゃなかったのね」
「あの人なりの信仰心もあって」 
 そうであってというのだ。
「それでね」
「魔女狩りみたいなこともしなかった」
「あの人もね」
「そうよね」
「妖術使いでもね」
 果心居士がというのだ。 
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