ハッピークローバー
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第百六十三話 魔法その三
「奴隷にもされていたし」
「日本の人達が」
「宣教師の人達に海外に売られて」
「そんなこともあったから」
「禁止したしね」
豊臣秀吉は奴隷になっていた日本人を買い戻しして救ったうえで禁止している。
「むしろ幕府がそうしないとね」
「駄目だったわね」
「魔女狩りとは全然違うよ」
「日本の切支丹禁止は」
「そうだよ、というか魔女の何が悪いのか」
伊東は首を傾げさせて言った。
「わからないよ」
「悪いことしなかったらいいわね」
「予言をしてね」
そうしてというのだ。
「それが碌でもないものばかりでも」
「聞かなかったらいいわね」
「そうだよ、腹立つけれどね」
「世界が滅ぶとかね」
「戦争が起こるとか地震が起こるとか」
「そんな予言ばかりだとね」
「腹立つけれどね」
そうした予言をする者がいたならというのだ。
「魔女でもね」
「けれど聞かなかったらいいわね」
留奈は冷静に述べた。
「もうね」
「そうだよ、予言って外れることが多いから」
「ノストラダムスとかね」
「大抵後でね」
何かあってからというのだ。
「あの戦争は予言されていたとか」
「言うわね」
「だからそんなこと言う人は後出しでね」
そうであってというのだ。
「インチキでね」
「そうであって」
「聞かなくていいよ」
「それで無視したらいいわね」
「そう、そして」
それでというのだ。
「そうした人はインチキだよ」
「魔女でもね」
「そうだよ、マザー=シプソンさんは違っても」
「この人は本物だったみたいだし」
二人で今もこの人物の絵を見ている、留奈はそうしつつ話した。
「だからね」
「聞いてもいいけれど」
「インチキだとね」
「聞かなくていいよ」
「後出しの場合はそう思っていいわね」
「そうだよ、それで魔法は人の役に立つなら」
それならというのだ。
「もうそれでね」
「いいわね」
「何も問題ないよ、日本だと陰陽道があって」
「安倍晴明さんね」
「この人なんか欧州だと大魔法使いだよ」
そうなるというのだ。
「まさにね」
「けれど悪くは言われてないわね」
「むしろね」
それどころかというのだ。
「凄い陰陽師だったって」
「人気あるわね」
「歴史でもそうで」
そうしてというのだ。
「漫画やアニメでもね」
「しょっちゅう出て来るわね、あの人」
「そこまでのね」
まさにというのだ。
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