世界の礎
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第十話 黄河から長江へその十三
「その実はな」
「左様ですね」
「親が悪いからだ」
その為にというのだ。
「まともな教育なぞせずな」
「子もですね」
「碌でもないものになる」
「左様ですね」
「だから教育は必要だ」
こう言うのだった。
「帝国も力を入れている」
「民に字を教えていますね」
「ここからさらに生産力が上がり」
そうなりというのだ。
「国力に余裕が出来るとな」
「今以上にですか」
「また行うことがある」
政としてというのだ。
「それを言っておく」
「さらにですか」
「そうだ」
こう話すのだった。
「またな」
「さらにですか」
「愚か者は癌だ」
義青は言い切った。
「屑と呼ぶまでになるとな」
「今お話された様な連中は」
「そうだ、どうにもならない輩はいる」
世にというのだ。
「そうした輩はな」
「癌であり」
「国にとっても世にとってもだ」
「益になりませんね」
「そうだ」
まさにというのだ。
「だからだ」
「少しでもいない様にする」
ササ、教育大臣の彼が言って来た。
「その様にしますね」
「民は愚かであればだ」
義青はササに応えて言った。
「治めやすいと言う者がいるが」
「全く違いますね」
「愚か者が多くてはだ」
それではというのだ。
「他国に後れを取る」
「国力が高くとも」
「そうだ、愚か者は何をしても害になる」
「どういった仕事でも」
「農業でも商業でもな」
まさにどういった仕事に就こうともというのだ、義青は起きた世界で見たことをそのままに話した。
「やはり知識も必要だ、若し学者がいなければだ」
「とんでもないです」
ササは洋虎を観つつ話した。
「そうした国は」
「その通りだ」
起きた世界で見たこと、カンボジアを念頭に話した。
「学者を全員殺すなぞな」
「国のですね」
「そうしたことはな」
「あってはならないですね」
「若し行えばな」
カンボジア、ポルポト派が行った様にだ。
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