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世界の礎

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第十話 黄河から長江へその十

「山城に置きたい」
「山城といいますと」
 その地名を聞いてだ、モルが応えた。
「日本の近畿にある」
「そうだ、あの地にだ」
「新たな帝都を築かれますか」
「そうしたい、あの地はこの世界では極めて霊力が高く」
 そうした地でありというのだ。
「浮島と山に囲まれ守りやすくそれでいて海にもすぐに行ける」
「川を用いれば」
「淀川をな、湖も近くにありな」
 琵琶湖の話もした。
「海運もありな」
「栄えやすいですか」
「また日本の中心で交通の便もいい」
「日本の各地にもすぐに行き来出来る」
「しかも日本は島国だからな」
「海から何処でも行けますね」
「そうでもあるしな」
 この利点もありというのだ。
「新たな帝都にいい」
「では」
「あの地に街を築き」
 そうしてというのだ。
「そのうえでだ」
「新たな帝都とされますか」
「そうしたい、これよりな」
 こう言ってだった。
 義青は実際に北米と東南アジアの掌握と統治を進めつつ遷都の準備にも入った、早速山城に街が築かれ。
 二重三重に防衛霊的なそれも設けられた、そしてその地を見て義青は言った。
「ウルだけでなくだ」
「この都もですね」
「帝国の要地となる、この地はこの世界で最も霊力が集まる地だしな」
「都に相応しいです」
「そうだ」
 虎人の男、学者の洋虎に答えた。
「広大になり世界を治めんとする帝国の都にな」
「だから遷都をされますね」
「実はもう二つ都に置くべき地があるがな」
「ローマそれに地下世界にですね」
「あるが」
 しかしというのだった。
「だがな」
「今は帝国の領土でないので」
「どちらもな、だからだ」 
 それ故にというのだ。
「この京都をだ」
「築かれて」
「帝都とする」
「そうされますね」
「そしてだ」
 そのうえでというのだ。
「ここから治める、また何かあれば神託もだ」 
「受けるのですね」
「そうする、人は人だけで何も出来ない」
 義青はきっぱりと言った。
「神霊のお力もだ」
「必要ですね」
「一人の愚か者を知っている」
 ここで義青は起きた世界で知った者の話をした。
「神霊を一切信じず自分の力だけで生きると言い切っていた」
「神霊を否定しましたか」
「この世界では有り得ないがな」
 そうした考え自体がというのだ。
「神霊の存在がはっきり感じ取れるからな」
「神界もあり」
「そうだからな」
「そうですね」
「しかし私が起きた世界では違っていてな」
 このことはというのだ。 
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