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超能力赤ちゃん

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第二章

「こうしたキャラを出されてもいいですよ」
「そうですね」 
 佐藤は確かにと頷いた。
「これもまたです」
「一つのやり方ですね」
「キャラは老若男女色々で」
 そうであってというのだ。
「その若い中にです」
「赤ちゃんも入りますね」
「もう思いきりです」
 それこそというのだ。
「低くするのも手です、そして」
「そこに何を加えるか」
「この漫画なんかです」
 加藤はスタンドを使う漫画のシリーズの単行本を出した。
「第三部で赤ちゃんの敵が出ていますよ」
「敵にも使えますね」
「普通赤ちゃんが敵とは思わないですね」
「何も出来ない無力な存在ですからね」
「しかも可愛い」
「ですから」
 まさにそれ故にというのだ。
「誰もです」
「敵と思わないですね」
「だからこそいいです」
「スタンドを使わせれば敵ですからね」
「そうです、お年寄りを出してもいいですが」
 赤ちゃんとは逆にというのだ。
「赤ちゃんも出されるといいですよ」
「そうですね、主人公でも仲間でも敵でも」
「色々あります」
「じゃあちょっと考えてみます」
 佐藤は笑顔で答えてだった。
 自分の作品異世界ファンタジーものに仲間で超能力を使う赤ちゃんを出した、このキャラが人気となってだった。
 彼の作品はこれまで以上の人気を得た、それによって彼はやはり赤ちゃんキャラを出すのもいいと思った、だが。
「実際の赤ちゃんを育てることは大変でして」
「育児漫画ありますね」
「もうおむつ替えたり夜泣きしたり」 
 加藤は佐藤に仕事の打ち合わせの時に話した、場所はファミレスである。
「それで、です」
「そうなんですね」
「結婚して子供が生まれるとわかります」
「そうですか」
「はい、その時はご覚悟を」
「それを漫画に描けたら面白いですね」
「大変ですけれどね」
「そうでしょうね」
 佐藤はこの時は笑っていた、だが。
 十年後彼は育児漫画を描くことになった、そしてそのことを実感したのだった。かなり大変なことであると。


超能力赤ちゃん   完


                     2025・3・20 
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